人は、何を求めて転職に踏み出すのか?
2015年10月20日 10:44
入社したら過酷な労働を強いるブラック企業だったという話もあるが、せっかくその会社で働こうと決めた人が、どうして転職してしまうのだろうか。リクルートキャリアは、転職をしたビジネスパーソン2,786名を対象に「第29回転職世論調査」を行なった。
そこから人々が「何を求めて転職に踏み出すのか?」「転職先を選択する際の最優先項目は?」など、転職活動における意識や行動の決め手について読み解けるのではないだろうか。
調査結果によると、96.2%の人が「前職でストレスを感じたことがある」と答えている。さらにその中で74.9%の人がストレスによって仕事に影響があったと回答し、内容について「仕事への情熱がなくなった」78.1%、「思考力・判断力が低下した」52.7%、「ミスが増えた」27.2%と、ストレスが原因となり仕事の質の低下を招いていると見てとれる。
具体的には「うつ病になった。」(女性26〜30歳)「体調を崩した。」(男性31〜35歳)など心身に悪影響を与えているような内容も見られた。
ストレスの原因について、複数回答で答えてもらうと男性では「職場の人間関係に問題がある」が最も多く46.4%、女性では「仕事の評価基準があいまい」が最も多く55.8%となった。そこから男性は人間関係、女性は自分への評価を不満と感じストレスの原因となるようだ。
ただ、最大のストレス要因を1つあげてもらうと22.2%の人が「職場の人間関係に問題がある」と答えた。これにより最大のストレス要因は、人間関係の悪化であると言える。次に、今回の転職によりそのストレスは軽減されたか?という質問に対し全体の63.0%が、軽減したと回答。多くの転職を成功させたビジネスパーソンは、企業を移ることでストレスの軽減を実現している。
転職活動を始めた理由について、全体では「会社の将来に不安を感じて」が最も多く43.5%、次いで「時間的・精神的なゆとりを求めて」が37.2%、「他の会社で新しいキャリアを身につけたかった」が34.9%と続く。性別でみると男性では「会社の将来に不安を感じて」が最も多く14.4%、女性では「時間的・精神的なゆとりを求めて」が最も多く17.6%。また転職する年齢が低いほど、キャリアや時間的・精神的なゆとりを求める割合が高いのに対し、40代を越えるとキャリアを求める割合は減る傾向にあり、リストラや会社倒産などやむにやまれず転職をしたという割合が高まる。
また、転職活動で応募した企業の数を見ると、男性の平均は18.26社であるのに対し、女性の平均は21.71社となり、転職が成功するまでに女性の方がより多く企業への応募が必要であったという結果が出た。
また、転職先を選ぶ際の最優先項目について「やりたい仕事があったから」が最も多く24.7%。実際に転職した会社の決め手について「やりたい仕事ができる」が最も多く51.7%となった。
この調査を受け、2015年のビジネスパーソンが転職したいと思うきっかけは、職場のストレスであり、その最大の原因は人間関係の悪化である、そして会社の将来に不安を感じ転職活動を始め、やりたい仕事が決め手となり転職を成功させたと言えるのではなかろうか?(編集担当:久保田雄城)