NYの視点:円売り持ち1ヶ月ぶりの低水準、来週はECB定例理事会、中国GDPなどに注目
2015年10月19日 06:52
*06:52JST NYの視点:円売り持ち1ヶ月ぶりの低水準、来週はECB定例理事会、中国GDPなどに注目
10月13日付けのシカゴIMM、投機・投資家筋のポジションで円の売り持ち高は前週から減少した。1ヶ月ぶりの低水準となった。
◎来週のポイント
米国の利上げ見送り観測が強まる中、日本や欧州の追加緩和期待にリスク選好の動きが継続する可能性がある。中国の7-9が浮き国内総生産(GDP)や小売がリスク。7-9月期GDPは6.8%成長と、金融危機以来の低い伸びに落ち込む見込み。万が一、予想を下振れると、世界経済への懸念が強まり、リスク回避の動きが再燃する可能性もある。
欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で政策金利を過去最低水準に据え置く見込み。その後に予定されているドラギECB総裁の記者会見で、インフレや経済の見通し、追加緩和の必要性に言及されるかどうかに焦点が集まる。量的緩和(QE)を受けて、欧州経済は回復基調にある。しかし、ユーロが上昇した場合、回復を抑制する可能性があるためドラギECB総裁によるユーロ安誘導発言の可能性も否めない。
米国の利上げのタイミングに関して、年内の利上げの可能性を除外していない米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーと年内の利上げをほぼ除外した市場関係者の間に見解の相違が依然見られる中、FRB関係者の発言内容に注目が集まる。ただ、来週半ばから、連邦準備制度理事会(FRB)は28-29日に予定されているFOMCを控えたブラックアウト期間入りするため、FRB関係者の講演は前半のみ。今週は、タルーロFRB理事やブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事が年内の利上げは「適切でない」との見解を示したことが話題となった。来週はタカ派として知られ、前回9月会合で利上げに投じたリッチモンド地区連銀のラッカー総裁の講演も予定されている。最近のインフレ低迷、労働市場の回復ペースや消費鈍化を受けて、見通しの変更が見られるかどうかに焦点が集まる。また、イエレンFRB議長やパウエルFRB理事の発言にも注目される。
■イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード◎危機前に比べ状態が改善 危機前の水準と比較8月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.2%(7月1.2%) 1.4%(下回る)8月求人率(Job openings rate):3.6%(7月3.8%) 3%(上回る)
◎状態が危機前より依然悪い9月雇用者数(Nonfirm payrolls):14.2万人(8月13.6万人)16.18万人(下回る)
9月失業率(Unemploynent rate):5.1% 5%(上回る)8月退職率(Quits rate):1.9%(7月1.9%) 2.1%(下回る) 9月広義の失業率(U-6):10.0%(8月10.3%) 8.8%(上回る)8月採用率(Hires rate):3.6%(7月3.6%) 3.8%(下回る)9月長期失業率:42.0%(15週以上、8月43.5%、前年同月42.0)19.1%%(上回る)
9月労働参加率:62.4%(8月62.6) 66.1%(下回る)
●中国19日:7-9月期国内総生産(GDP):予想前年比+6.8%(4-6月期+7.0%)、9月小売売上高
●米国19日:ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事、ラッカー米リッチモンド地区連銀総裁講演、10月NAHB住宅市場指数:予想62(9月62)20日:ダドリーNY連銀総裁、パウエルFRB理事が市場コンファレンスで講演、イエレンFRB議長があいさつ、9月住宅着工件数:予想114.5万件(8月112.6万件)、9月建設許可件数:予想117万件(8月112.6万件)21日:パウエルFRB理事が司会、流動性に関し22日:8月FHFA住宅価格指数:予想前月比+0.4%(7月+0.6%)、9月中古住宅販売件数:予想537万戸(8月531万戸)
●欧州22日:欧州中央銀行(ECB)定例理事会(予想、金融政策現行で据え置き)、ドラギECB総裁記者会見
●地政学的リスクウクライナ紛争ガザ紛争イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」シリアイエメン
【IMM】
*日本円ネット・円売り持ち:-13,832(10/16)←円売り持ち:-17,599(10/6)(直近ネット円買い持ち最高水準:08年3/25+65,920、04年2/6+64499)(過去最高ネット円売り持ち高:07年6/26-188,077)
*ユーロネット・ユーロ売り持ち:-80,576(10/16)←ユーロ売り持ち:-88,810(10/6)(07年5/15:+119,538過去最高買い持ち高、10年2/9-57,152過去最高の売り持ち高)
*ポンドネット・ポンド売り持ち:-7,527(10/16)←ポンド売り持ち:-4,533(10/6)(07年7/22:直近ネット買い持ち高最高水準+98,366)
*スイスフランネット・スイスフラン売り持ち:-2,352(10/16)←スイスフラン売り持ち:-3,970(10/6)(過去最高スイスフランネット売り持ち高:07年6/19:-79,331)
*加ドルネット・加ドル売り持ち:-33,949(10/16)←加ドル売り持ち:-35,010(10/6)(直近ネット買い持ち高最高水準:07年10/12+83001)
*豪ドルネット・豪ドル売り持ち:-33,705(10/16)←豪ドル売り持ち:-40,839(10/6)《TM》