ビジット・ジャパンの「観光庁」発足7年、認知度は上がったのか
2015年10月13日 10:28
昨年、日本を訪れた外国人観光客は1341万人で、過去最高を記録した。2003年に国土交通省が「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を始めた際には約500万人だったので、この12年で2倍以上に増えたことになる。今や日本国内で、外国人旅行者を目にするのは当たり前となり、「ビジット・ジャパン」という言葉が古めかしく感じられるほどだ。
「ビジット・ジャパン・キャンペーン」はもともと、国交省が中心となり、2003年4月にスタートしたもの。日本を訪れる外国人を増やし、「観光立国」を実現しようとの意図からだ。2008年には国交省内に「観光庁」ができ、経済成長が進むアジアからの観光客を取り込もうと尽力してきた。内閣府が今年8月、全国の男女3000人を対象に面接調査を行ったところ、発足して7年目となる「観光庁」について、「名前も内容も知っている」は16.2%、「名前は聞いたことはあるが、内容までは知らない」が40%で、観光庁の認知率は過半数を超えた。認知率は、この7年で約20ポイント増加している(有効回収数は1758人)。
さらに「日本を訪れる外国人旅行者数について、数年前と比べてどのような実感をもっていますか?」と尋ねた結果では、「増えた+どちらかといえば増えた」が80%から93.4%へと増加した一方、「減った+どちらかといえば減った」は5.9%から1.8%に減少している。
観光客の増加による影響も、「消費が拡大し、日本経済の活性化につながる」が65.4%と最も多く、次いで「街がにぎやかになり、地域経済の活性化につながる」が50%、「国際交流が進み相互理解が深まる」が46.3%など、プラスの面を挙げる人が目立つ。
ただ、観光客の受け入れには課題も多い。「訪日外国人旅行者を増加させるために、国はどのような施策を進めることが重要だと思いますか?」と複数回答で聞いた結果では、トップが「空港や駅、観光地、宿泊施設での外国語などによる案内・応接の充実(51.7%)」、次いで「海外における日本の魅力のさらなるPR(45.8%)」、「外国人にも対応した宿泊施設の整備(36.3%)」だった。「おもてなし」のためには、駅や観光地での「外国語による案内」が不足している、と考える人が多いようだ。(編集担当:北条かや)