米ボーイングが中国と提携強化、工場建設や航空機300機受注で合意

2015年9月24日 09:44


*09:44JST 米ボーイングが中国と提携強化、工場建設や航空機300機受注で合意
米ボーイングは23日(米国時間22日)、中国と戦略提携関係を強化することで合意した。中国に主力旅客機「737」の仕上げ工程を担う工場を建設する。また、中国航空器材集団などの中国企業から、航空機300機を受注した。
習近平国家主席の訪米に合わせて発表されたもの。習主席は22日、米ワシントン州のシアトルに到着。州内のボーイング工場を視察した。
ボーイングはまず、国家発展改革委員会とゼネラル・アビエーション(一般航空:軍事および定期航空路線を除いた航空)産業における戦略提携を拡大することで合意。2016~20年の5年にわたり、航空機の建造や技術などの各方面で協力関係を強化する。
また、工場建設をめぐっては、国産航空機の開発を担当する中国商用飛機公司と提携文書を交わした。両社は合弁会社を設立し、共同で工場の立ち上げを目指す。このほか、ボーイングに部品を供給する中国航空工業集団と、最新ジャンボジェット機「747-8」向けの部品製造で提携することを確認した。
ボーイングが今回、中国での建造に乗り出した背景には、ライバルの仏エアバスがグローバル態勢を完備したことがある。ボーイングは現在、ワシントン州エバレットと大西洋岸のサウスカロライナ州ノースチャールストンに生産拠点を擁するのみ。実現すれば、同社初の海外工場となる。
一方、エアバスは主要生産拠点をフランス南西部のトゥールーズに置く。このほか、すでにドイツのハンブルグ、中国の天津に組立工場を構えた。アラバマ州のモービルにも工場を新設。近く生産に動き出す計画だ。欧州域外の生産施設は、天津に続き2カ所目となる。

【亜州IR】《ZN》

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