米中の配車サービス会社が提携。ウーバーに対抗

2015年9月23日 15:42

 米国の配車サービス企業「リフト」と中国の同業「滴滴快的」は9月16日、提携契約を結んだと発表した。滴滴快的は、リフトに1億ドルを出資し関係を強める。

 今後、両社のサービス利用者がそれぞれ米国、中国を旅行する際に、使用している配車アプリを使って旅行先でも配車サービスを受けることができるようにする。例えば、滴滴快的のサービス利用者が訪米した際、滴滴快的のアプリで配車サービスを依頼し、リフトのサービスを受けることができる。その場合、利用者は滴滴快的に料金を支払う形となる。

 さらに両社は、インドのオラ、シンガポールのグラブタクシー・ホールディングスとも提携を模索しており、世界的なネットワークによって優位性を確保していく方針だ。

 両社の狙いは業界の巨人ウーバーに対抗することだ。同社は海外事業を積極的に拡大しており、現在60カ国でサービスを展開している。

 ウーバーは、すでに世界的なブランドを確立しており、これまでにベンチャーキャピタルから80億ドル以上の資金を調達している。

 いま熾烈になっているのが、中国市場での競争だ。中国の都市通勤者数は世界最大の7億5000万人。生活水準の向上に伴い、今後中国の配車サービス市場は急速に拡大すると見込まれているからだ。

 今年2月、滴滴打車と快的打車とが合併して滴滴快的を創設したのも、中国市場でのシェア確保を急いでいるからだ。昨年7月、ウーバーのトラビス・カラニックCEOは滴滴打車に出資を提案したが合意に至らず、いまや両社はライバル関係に転じている。

 現在、ウーバーと滴滴快的は中国国内で、配車サービスに携わる運転手の勧誘などで、激しく競い合っている。

 一方、アメリカ国内では、リフトが激しくウーバーを追撃してきたが、企業価値では、ウーバーの500億ドルには及ばない25億ドルの評価にとどまっている。リフトは、アプリのインストール率でも劣勢だが、アプリをインストールしたユーザーの使用率はウーバーのそれを上回っているという。こうした中で、滴滴快的と組むことで、ウーバーに対する追撃が激しさを増しそうだ。(編集担当:久保田雄城)

関連記事

最新記事