【インタビュー】伊ニットブランド「バーク」が日本上陸 ―パオロ・ピエロッティCEOに10の質問
2015年9月18日 22:18
パオロ・ピエロッティ「バーク」CEO イタリア発のニットブランド「バーク(Bark)」が三喜商事とディストリビューター契約を結び、今秋日本に本格上陸する。ブランドを象徴するニットダッフルを武器に世界各地へ出店を加速させる一方、“ニットアウター”にとどまらない幅広い商品開発で、トータルブランド化への戦略を着々と進める。このほど来日したパオロ・ピエロッティCEOに、「バーク」のブランド戦略やビジョンについて話を聞いた。
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ※「バーク(Bark)」:イタリアのニット製造老舗オゾン社から2011年にデビュー。同ブランドの代表的アイテムであるニットのダッフルコートは、伝統的なディテールと現代的なシルエットやカラーリングとの新鮮な組み合わせで、日本にもファンが多い。8月に表参道ヒルズに期間限定店を開いたのを皮切りに、8月29日には阪急メンズ大阪に出店した。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
――「バーク」といえば、ダッフルコートですね。他のブランドにはない「バーク」のこだわりや強みを改めて教えてください。
ダッフルコートは、バーク編みと呼ばれる独自の編み方で特許も取得していますし、ブランドのアイコンアイテムでもあります。編み地やスタイル、トグルやボタン、ロゴといったアクセサリー、そして、胸の部分のニットディテールやエルボーパッチといった「バーク」の世界観を語る特徴的な要素が凝縮されていて、それがアイコンアイテムである理由でもあります。そして、イタリア製にこだわったニットが、普遍的でありながら独特な表情を作り出すのです。
「バーク」のニットダッフルコートは、伝統的なディテールと現代的なシルエットやカラーリングが魅力
――ブランド立ち上げから4年で世界的に人気のあるブランドとなりました。その理由をどう分析されていますか?
これまでに見たことのないものを作ることに成功したこと、つまり、定番のダッフルコートというアイテムを、ニットで作るというアイデアを思い付いたということです。その結果として、ファッションにおける新しいアイコンアイテムを生み出すことができました。
――アジア初の直営店を日本にオープンしました。日本のファッション市場をどう見ていますか?
日本人の消費者は世界で最もファッションに敏感で、新しいものを受け入れる感性に優れています。日本のマーケットはいつも興味深く真剣に見ています。
――イタリアと日本の市場の共通点や違いは感じますか?
最大の違いは流通ネットワークだと思います。日本では百貨店が有力ですが、イタリアではまだまだ専門店が主流です。ファッションのテイストとクオリティーへの探求に優れているところは共通していますね。
――「バーク」にはダッフルコートだけでなく、薄手のジップアップブルゾンや、モード色の強いアウター、バッグなどの雑貨、そしてニット以外のアイテムも増えています。ニットを軸としながらトータルブランドを目指していくのでしょうか?
その通りです。ダッフルコートはいわばブランドの導入部のようなものです。オーセンティックでありながら親しみのあるバークのイメージを一貫させながら、それぞれのカテゴリーアイテムを充実させることで、“バークワールド”を作り出そうとしています。
――「バーク」は今後どういうブランドに成長していきますか?変わる部分、変わらない部分は?
ダッフルコートはこれからも変わりません!ただ、もっともっとフレッシュなニットアイテムが増えていくと思います。
――今後の日本における販売戦略と世界における販売戦略をそれぞれ教えてください。
日本も世界の戦略も同じです。信頼のおけるパートナーと取り組み、バークブランドの拡大を図ります。今後は、著名セレクトショップとの限定モデルや、他のブランドとのコラボレーションモデルの販売も予定しています。
――ニットウエア制作の豊富な経験や知識をお持ちのピエロッティ氏にとって、ニットの魅力は何ですか?
ニットの魅力は、その本質と意味をよく知らなければならないということ。それを知った上で、様々なトリートメントやテクニックを用い、前例のないほど進化した素材を作り出せることです。
――日本にいらしたのは初めてですか?印象はどうですか?
初めてではありませんが、毎回初めて来るかのような発見が多くあります。そして驚くような速さで変化が起きていますね。いつも、街やストリートから多くのインスピレーションを受けています。
――お気に入りの場所やものなどがあれば教えてください。
私のお気に入りは京都です。大変伝統的であると同時に革新的でもあるからです。まさに「バーク」と同じですね。
■「バーク」ウェブサイト http://www.bark-italy.it/
(アパレルウェブ編集部)