8月の貿易収支、5カ月連続赤字 対中輸出が6カ月ぶり減

2015年9月17日 12:13

 財務省が17日発表した8月の貿易統計(速報)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は5697億円の赤字となった。原油安が輸入額を押し下げたが、中国向け輸出が6カ月ぶりに減少し、赤字幅は前年同月比40.2%減少したものの5カ月連続の赤字となった。

 輸出は、前年同月比3.1%増の5兆8,815億円で12カ月連続の増加。内訳では、自動車は同11.0%、船舶が45.0%、半導体電子部品が3.9%とそれぞれ堅調な伸びを示した。鉄鋼、金属加工機械は減少した。

 輸入は、同3.1%減の6兆4,511億円で8カ月連続の減少。医薬品が同53.6%と大幅な伸びとなった。半面、発電燃料である原粗油は同マイナス32.9%、液化天然ガスが同マイナス30.2%、石油製品同マイナス33.5%とそれぞれ大幅に減少した。

 地域別では、米国向け収支は4636億円の黒字となり、黒字幅は同20.3%増加した。黒字の増加は12カ月連続である。

 EU向けの収支は1735億円の赤字で、赤字幅は過去最大となった。医薬品、自動車などの輸入が増えたことが大きい。

 アジア向けは、1865億円の黒字となった。黒字幅は同48.3%減少したものの、6カ月連続の黒字である。

 アジアのうち、中国向けは、4855億円の赤字で、42カ月連続の赤字である。輸出は、同4.6%減の1兆641億円で6カ月ぶりに減少した。自動車部品や半導体電子部品の輸出が減少し、通信機、コンピュータ類、衣類等の輸入が増加した。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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