ロシアのゲナディ・パダルカ宇宙飛行士、宇宙滞在の合計日数で世界一に=879日間

2015年9月12日 21:18

 ロシア人のゲナディ・パダルカ(ギナージィ・パーダルカ)宇宙飛行士が、2015年9月12日に約半年間の宇宙滞在を終え、地球に帰還した。パダルカ宇宙飛行士はこれが5回目の宇宙飛行で、合計の宇宙滞在日数は世界最長となる879日間となった。

 これまでの世界記録は、2005年にロシアのセルゲイ・クリカリョフ宇宙飛行士が樹立した、806日と9時間41分だった。また2位はアレクサンドル・カレリ宇宙飛行士の759日、3位はセルゲイ・アヴデエフ宇宙飛行士の747日と続いていた。

 パダルカ宇宙飛行士は、これまでに4度の宇宙飛行を行い、4位となる710日という記録をもっていた。そして、今回の5度目の宇宙飛行で168日にわたって宇宙に滞在したことにより、合計日数は879日となり、クリカリョフ宇宙飛行士の記録を抜き、世界最長となった。

 2位となったクリカリョフ宇宙飛行士は、すでに宇宙飛行士の職から引退しており、また3位以下の記録を持つ飛行士らも、引退しているか、もしくは高齢であるため、抜き返すことは難しい。さらに、ISSの宇宙滞在は1回につき半年間が基本であり、またパダルカ飛行士のように5回も宇宙に行ける機会が与えられる飛行士もそういないため、パダルカ宇宙飛行士の記録が抜かれることは、当面の間はないと思われる。

 パダルカ宇宙飛行士は1958年6月21日、ソヴィエト連邦のクラスナダールで生まれ、1979年からソ連空軍に所属した。空軍ではパイロットとして活躍し、6機種の航空機に搭乗。計1500飛行時間を記録。また300回を超えるパラシュート降下も経験している。

 そして1989年に宇宙飛行士候補生に選ばれ、訓練を開始。1991年にテスト宇宙飛行士としての認定を受けた。1996年からは「ソユーズTM」宇宙船や、宇宙ステーション「ミール」への搭乗訓練を始め、そして1998年8月13日、ソユーズTM-28宇宙船に乗りミールへと飛行。翌1999年2月28日に地球に帰還した。

 同年からはISSへの搭乗訓練を始め、2004年にソユーズTMA-4宇宙船に乗り、ISSに約半年間滞在した。2009年にはソユーズTMA-14宇宙船で再びISSを訪れ、約半年間滞在。さらに2013年にもソユーズTMA-04M宇宙船でISSに約半年間滞在をしている。

 そして2015年3月27日には、ソユーズTMA-16M宇宙船で5度目となる宇宙飛行士に出発。第43/44次長期滞在員(Expedition 43/44)としてISSでの長期滞在を行い、ISSのコマンダー(船長)も務めた。

■РОСКОСМОС: 878 СУТОК В КОСМОСЕ – НОВЫЙ МИРОВОЙ РЕКОРД РОССИЙСКОГО КОСМОНАВТА
http://www.roscosmos.ru/21715/

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