非正規労働者の固定化解消につながる法改正―榊原・経団連会長
2015年9月10日 12:12
政府の経済財政諮問会議の民間委員でもある日本経済団体連合会の榊原定征会長は9日までの記者会見で労働者派遣法改正案について「派遣労働者、派遣元、派遣先のすべてにとって望ましい内容だ」とし「非正規労働者の固定化の問題についても、キャリアアップを図る制度が整えられることで解消につながると思う」とキャリアアップにも実効性が期待できる法改正になっているなどと強調した。
榊原会長は「労働者派遣事業の健全化、派遣労働者のキャリアアップ、複雑な期間制限の分かりやすい仕組みへの変更など、全体として現行制度を大幅に改善するものだ」との認識を示した。
一方、今国会で成立が難しくなった労働基準法改正案について「残業代ゼロということばかりが指摘されているが、時間ではなく成果で評価する制度を導入することで、多様で柔軟な働き方を可能にするものだと受け止めている」などとし「子育てと仕事の両立など、働く人のためになる制度で、プラスの面をきちんと見ていきたい。次期国会での成立を期待したい」と引き続き労働基準法改正を政府・与党に求めていく姿勢を明確にしている。
日本共産党の小池晃議員が9日の参院本会議で「かつてこれほどあからさまな企業側法案見たことない」と非難するほどの労働者派遣法改正案だけに、経団連の榊原会長が政府を評価するのは当然かもしれないが、榊原会長は、安倍総理の自民党総裁無投票再選にも「内政・外交全般で大きな成果をあげている」とし「安定した政治のもとで政策が継続性をもって実行されることが重要であり、安倍政権が長期政権となることを期待したい」とした。
また、国民の半数以上が違憲法案だとして反対している安保法案に対して「現在の日本を取り巻く国際情勢・安全保障環境を踏まえれば必要な法整備であり、今国会中の成立を期待する」と政府を後押しした。(編集担当:森高龍二)