労働者保護乏しい欠陥法案、派遣原則にも反する―連合・神津事務局長

2015年9月10日 12:19

 連合の神津里季生事務局長は9日、労働者派遣法改正案について「政府は正社員への道を開くものとの説明を繰り返してきたが、雇用安定措置や教育訓練の内容が派遣元事業主の判断に委ねられ直接雇用化などの実効性が乏しい、専門26業務の派遣労働者が派遣期間制限違反の下で働いていても労働契約申込みみなし制度は適用されないなど明らかとなった」と指摘。「過半数組合等が反対しても派遣の継続が可能であり、派遣は臨時的・一時的就労の原則に全く反している」と重大問題視した。

 また「均等処遇はおろか均衡処遇すら実効性のある措置が事業者に義務付けられていない」とし「企業のための規制緩和であり、労働者保護が乏しい欠陥法案」と非難した。

 神津事務局長は「与党により労働契約申込みみなし制度施行前日の9月30日に(施行)とする修正がされた。また法案が成立すれば施行日までに労働政策審議会において政省令・指針の改正など国会審議を踏まえた検討が必要となるが、労働政策審議会で議論に要する期間が十分確保されていない」と、これも問題だと提起。

 神津事務局長は「改正法案の施行にあたり派遣労働者の保護が欠けることとならないよう、審議会での議論に臨むとともに、すべての派遣労働者の雇用の安定と労働条件の向上に全力で取り組み、労働者保護を担保するため法改正を求めていく」と談話を発表した。(編集担当:森高龍二)

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