浮世絵名品展があべのハルカス美術館で開催 - 葛飾北斎や歌川広重などが描く、色鮮やかな錦絵150点

2015年9月5日 13:05

「錦絵誕生250年 フィラデルフィア美術館浮世絵名品展 春信一番!写楽二番!」があべのハルカス美術館で開催される。期間は2015年10月10日(土)から12月6日(日)まで。


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今から250年前に誕生した、白黒ではなく色を用いた多色摺(たしょくずり)の浮世絵版画。色鮮やかで錦のように美しいことから「錦絵」と呼ばれている。本展ではアメリカ・フィラデルフィア美術館が所蔵する4000点以上の浮世絵コレクションから、厳選した150点が日本初公開となる。


第1章では、浮世絵版画の始まりを紹介。この時期の浮世絵版画は、墨板だけで摺られた「墨摺(すみずり)」であったが、やがて筆で彩色する「丹絵(たんえ)」や「紅絵(べにえ)」、「漆絵(うるしえ)」が現れる。


第2章では、鈴木春信の作品を展示。絵暦に木版に色を用いる多色摺の技法が用いられ、やがてそれは錦のように美しい「錦絵」と命名される。浮世絵革命ともいえる美しい絵画が、展覧会を彩る。


第3章では八頭身美人の群像を得意とした鳥居清長、大首の美人画を考案した喜多川歌麿など、個性的な絵師たちが登場。鈴木春信が描く華奢で可憐で生々しさを感じさせない女性が、錦絵が飛躍的に広がったことを受け、次第に現実的な雰囲気を纏うようになる。浮世絵黄金期の到来ともいえる時代の作品を取りそろえた。


第4章では、錦絵の成熟期を紹介する。葛飾北斎や歌川広重らが腕を振るい、シリーズ化された人気商品も数多く刊行された時代。「富嶽三十六景 凱風快晴」や「かごのとりすゞめいろどき」など、それ以前にはなかった現実感あふれる妖艶さ漂う作品が揃う。


最終、第5章では上方の錦絵が並ぶ。浮世絵の主流とされてた江戸から移り、上方でも、土地の嗜好に合った独自の役者絵が生み出されていく。江戸と異なり役者を美化せず、ありのままの姿に描くのが特徴。合羽摺(かっぱずり)を最も多く手がけた有楽斎長秀など、現存率の低さと素朴な味わいが魅力だ。


【開催概要】

「錦絵誕生250年 フィラデルフィア美術館浮世絵名品展 春信一番!写楽二番!」

開催期間:2015年10月10日(土)~12月6日(日)

開催場所:あべのハルカス美術館

住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階

TEL:06-4399-9050

開館時間:火~金 10:00~20:00 月土日祝 10:00~18:00

※入館は閉館30分前まで

休館日:10月19日(月)、26日(月)、11月9日(月)、16日(月)


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