7月の実質賃金、2年3カ月ぶりプラス―毎月勤労統計

2015年9月5日 20:19

 厚生労働省が4日発表した7月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、1人当たり現金給与総額(賃金)は36万7551円で名目では前年同月比0.6%増加した。物価の変動を差し引いた実質では、同0.3%増となった。実質賃金がプラスに転ずるのは2013年4月(0.4%増)以来2年3カ月ぶりである。

 実質賃金がプラスに転じたのは、物価の上昇幅が縮小してきたことに加え、今年春闘での賃上げの動きが中小企業にも広がったことが大きい。今後とも実質賃金が増加基調で推移するかどうかは、景気回復の足取りや物価の動向を注視する必要がある。

 賃金のうち、決まって支給する基本給などの所定内給与は24万983円で前年同月比0.6%増加した。2005年11月以来、9年8カ月ぶりの高さである。残業代などの所定外給与や賞与も同0.6%、同0.3%それぞれ増加した。

 1人当たり労働時間は150.5時間で、同0.1%減少した。このうち、所定内労働時間は0.2%、所定外は0.7%それぞれ減少した。製造業に限ると所定外は0.6%減少した。

 雇用形態では、常用雇用が同2.0%増加した。このうち一般労働者は1.7%増、パート労働者は3.0%増となった。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

関連記事

最新記事