大日本印刷、医薬品などの不快な臭いを吸着できる包材を開発
2015年9月2日 12:26
大日本印刷は2日、有機化合物を含む医薬品から発生する不快な臭いを吸着する「DNPにおい吸着包材」を開発したと発表した。医薬品や医療器具、産業資材、化学薬品などの包材向けに今年9月に量産を開始するという。
同社によると、同製品は、アルデヒドやケトンを含む医薬品から発生する臭いを吸着する材料をフィルムに添加している。医薬品を包装してから24時間後には、臭いの成分となるガスがほぼ100%フィルムに吸着され、無臭状態になるという。これによってパッケージ開封時の臭いによる不快感を軽減できる。
また、一度吸着した臭気成分は再放出されないため、継続的に効果を得ることができる。誤飲のおそれがある消臭剤の小袋を入れる必要がなくなるという利点もある。
アルデヒド系やケトン系の臭気意外にも、滅菌処理臭や樹脂分解臭などの吸着にも効果があるという。
アルデヒドやケトンを含む医薬品は、時間経過とともにガスを放出するため、これまでは服薬時にパッケージ内に充満した臭いが患者に不快感を与えるという課題があった。
同社は、主に医薬品や医療器具、産業資材、化学薬品などの包材として同製品を販売し、2019年度までに5億円の売上を目指すとしている。