メルセデス最上級セダン「Sクラス」にディーゼルハイブリッド車追加、燃費20.7km/リッターを達成

2015年8月30日 17:50

 メルセデス・ベンツ日本が遂に、日本市場向けに最上級モデルのSクラスのディーゼルエンジン+モーターを積んだハイブリッド車(HV)「S300h」をリリースした。このS300hは車重2t超の大型サルーンとしてはトップクラスのJC08モード燃費、20.7km/リッターを達成する。メルセデス・ベンツSクラスに従来から設定していたガソリンHVの15.4km/リッターを大幅に凌ぐ。日本初登場のクリーンディーゼルハイブリッドモデルだ。HV技術で先行した日本だが、クリーンディーゼル車で先行する欧州勢に先を越された恰好となる。

 メルセデス・ベンツのSクラスは、つねに世界の自動車の指標とされてきたメルセデスのフラッグシップモデルであり、安全性と快適性、効率性などクルマに求められるあらゆる要素を高次元で究めた「新時代のプレステージカー」だ。

 S300hのパワートレーンは、最高出力204ps(150kW)、最大トルク51.0kg.m(500Nm)の2.2リッター直列4気筒BlueTECディーゼルエンジンに、最高出力27ps(20kW)、最大トルク25.5kg.m(250Nm)を発生する高効率の電気モーターを組み合わせ、同社最新V8エンジンと同等の圧倒的な大トルクを実現している。

 S300hは、発進の際に電気モーターを最大限に活用するため、アクセルを踏んだ瞬間から電気モーターの最大トルク250Nmの気持ち良い加速が体感できる。この段階ではディーゼルエンジンは停止しており、Sクラスの高い静粛性は保たれる。追い越し加速時など、よりパワーが必要な場合には、低回転で圧倒的な最大トルクを発生するディーゼルエンジンと電気モーターの相乗効果による鋭い加速を実現する。

 中・高速巡航時には、スロットルペダルから足を離すと、トランスミッションがクラッチを切り、エンジンをドライブトレインから切り離すことで走行抵抗を低減させるセーリング走行機能が働き、省燃費に寄与する。

 メルセデスの最上級サルーンS300h は、安全性と快適性を高次元で融合した“知能を備えた”とも表現できる新時代の革新的テクノロジー「インテリジェントドライブ」を備えている。「インテリジェントドライブ」を実現するのが、クルマの周囲360度をカバーする複合的なセンサーシステム。フロントウインドウ内側のステレオマルチパーパスカメラは、最大500mの前方視野をモニターし、さらにふたつのカメラで車両前方約50mの範囲を立体的に捉える。加えて、フロントおよびリアバンパー側面に内蔵された25GHzの短距離レーダー4個、ラジエーターグリル奥の77GHzの中・長距離レーダー1個、リアバンパー中央の25GHzマルチモードレーダー1個の合計6個のミリ波レーダーで構成されたセンサーから得られたデータを高度なアルゴリズムで解析することにより、先行車両、横切る車両、後方車両、対向車、歩行者などを検出し、状況を判断して、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動でアシストする運転支援システムを実現している。

 メルセデス・ベンツは、2006年8月に日本初のクリーンディーゼルモデル「E 320 CDI」を導入し、日本で販売される乗用車として初めて新長期規制(2007年施行)にも適合。さらにポスト新長期規制(2010年施行)にも輸入車で初めて適合した「E 350 BlueTEC」を導入した。その後、2010年にMクラス、2013年にGクラス、本年1月にはGLと、SUVにクリーンディーゼルモデル「BlueTEC」を積極的に展開してきた。そして、本年3月には、4気筒クリーンディーゼルモデルをEクラスとCLSに導入し、クリーンディーゼルモデルのラインアップを拡充している。

 この新しいメルセデスのディーゼルハイブリッド車の価格は、ベーシックなS300hが998.0万円(税別:以下同)、上級装備のS300hエクスクルーシブが1270.0万円、後席居住性を高めたS300hロングが1340.0万円である。S300hは、ロングボディを含めたすべてのラインアップが、エコカー減税の優遇(重量税、取得税免税)対象となる。(編集担当:吉田恒)

関連記事

最新記事