「就活厳しい」55%、理由トップは「活動期間が長すぎる」

2015年8月30日 17:52

 今年は就職活動の面接解禁が8月1日へと「後ろ倒し」された一方、多くの企業が早くから学生との接触を図るなど、「就活の長期化」が課題となっている。就活支援サイトを手がけるマイナビが7月末~8月初旬にかけて実施した「2016年卒マイナビ学生就職モニター調査」によると、就活への感触は「厳しい(思ったよりも:20.9%+思ったとおり:34.6%)」との回答が全体の55.5%に達した。

 厳しいと感じる理由のトップは、「活動にかかる期間が長い(51.1%)」「交通費等の費用面(44.1%)」。学生たちにとっては、選考に直接関わる要因(「選考基準が高い(28.1%)」「セミナーや選考が集中し多忙である(19.1%)」)よりも、長期化する就活が厳しさを実感させる要因になっている。

 一方で、すでに内定を得た学生も目立つ。7月の活動状況をみると、「内々定を受けた」は約3割、「内定先を決めて就職活動を終了した」学生も1割強。業界研究やセミナーへの参加などは全体的に落ち着き、活動割合は前月より10ポイント近低下した項目が多い。7月末時点で出ている内々定に関して聞いたところ、1次面接から内々定までの選考回数は「3回(37.5%)」「2回(36.4%)」と、2~3回の選考が平均だ。

 学生が「この会社に決めた!」と思った瞬間を聞くと、「企業セミナーで話を聞いて(19.7%)」「先輩社員(OB・OG/リクルーター)と会って(19.1%)」「人事担当者と会って(18.3%)」の3項目が高かった。会社を決める一手は「企業の魅力」はもちろん、先輩や人事担当者を重視する学生が多いとみられる。マイナビによると、就活生は「誰と働くかという視点で企業を選んでいる」。採用活動では「人」の重要性が大きいようだ。

 一方、「この会社はNG!」と思った瞬間については、「企業セミナーで話を聞いて(25.6%)」が全体の約4分の1を占めた。「ブラック企業だという評判を聞いて(15.9%)」にも票が集まっており、セミナーの内容やネット等での評判が、学生からのエントリーを減らす要因になっている。長期化する就活の中で、学生たちはできるだけ効率的に動こうとしているのかもしれない。(編集担当:北条かや)

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