筑波大、育てやすく高糖度なトマト変異体を発見
2015年8月30日 19:33
筑波大学の江面浩教授らは、受粉せずに果実が大きくなり、かつ高糖度のトマトの新しい育種素材を発見し、その原因遺伝子候補の同定にも成功した。
近年、高糖度トマトの人気が高まっており、与える水の量を制限して果実内の糖度を濃縮する方法や、糖度向上剤による処理などが開発されてきたが、従来の高糖度化技術は、特別な栽培技術や設備を必要とするため、経済性と作業性の点で課題が多くあった。
今回の研究では、筑波大学遺伝子実験センターが有するトマト品種「マイクロトム」の大規模変異体集団の中から、旺盛な生育を示す新規の単為結果性(受粉なしで果実が肥大する性質)の変異体を発見し、さらにその果実は高糖度であることを明らかにした。また、その原因遺伝子も同定することに成功した。
研究グループは、企業が保有する品種との交配や他の果菜類や果樹への研究展開も計画しており、これらの研究開発によって、高品質な果物が普通の価格で生産できるようになることが期待されるとしている。