新国立競技場、スポーツ博物館等の振興施設は設置せず

2015年8月29日 18:15

 新国立競技場整備計画再検討の関係閣僚会議は28日、新国立競技場の整備計画を決めた。注目されたコストについては上限として「スタジアム本体工事は1350億円程度、周辺整備費200億円程度(先行実施分20億円を含む)を合わせて1550億円」とした。また設計・監理などに約40億円。他にも、これまでの支出済み分を含めて、解体工事費55億円、日本青年館・JSC本部移転経費174億円、埋蔵文化財調査費用14億円が当てられている。またスポーツ博物館等のスポーツ振興を目的とした施設は設置しない。

 工期については「2020年4月末とし、IOCの要請を踏まえて同年1月末の工期短縮を目標とした技術提案を求め、工期を極力圧縮する」とし、政府は9月1日から公募手続きを行い、12月末に設計・施工事業者を選定、来年1月をめどに設計委託契約を結ぶことにしている。

 新国立競技場の施設は原則として競技機能に限定する。陸上競技、サッカー、開閉会式の実施に必要な機能を整備。また陸上競技に係るサブトラックは徒歩圏内に仮設で設置することとした。

 新陸上競技場の観客席は大会時6万8000席程度。大会後にトラック上部への増設を可能にし、国際サッカー連盟ワールドカップ規定(8万席)に対応できるものにする。

 屋根は観客席の上部のみにする。メディア施設は各国メディアが円滑に発信可能な機能を整備する。新国立競技場と周辺環境への配慮では明治神宮外苑地区の景観や環境と調和を図るとし、スポーツクラスターの中核にふさわしい景観の形成を図る。また、施設や地域の特性を考慮した環境負荷の抑制、自然エネルギーの活用等を図る。

 政府は新国立競技場の基本理念について(1)世界の人々に感動を与える場として、すべてのアスリートが最高の力を発揮できる競技場とすること(2)車椅子使用者、障害者、高齢者、子供連れ、外国人など、誰もがオリンピック・パラリンピックを円滑に楽しめる競技場とする(3)わが国の優れた伝統や文化を世界中に発信し、内外の人々に長く愛される場として、 明治神宮外苑の歴史と伝統ある環境や景観等と調和し、「日本らしさ」を取り入れた競技場とすることとした。(編集担当:森高龍二)

関連記事

最新記事