東北大、隕石衝突でDNAの構成分子が生成されることを明らかに

2015年8月23日 22:23

 東北大学の古川善博助教らは、生命誕生前の地球の海洋に隕石が衝突する際に、無機物からDNAとRNAの構成物質である核酸塩基や、タンパク質の構成物質である種々のアミノ酸が生成することを明らかにした。

 生命の遺伝情報はDNAに記録されており、その情報はRNAを介してタンパク質の合成に使われる。これらの物質を構成する核酸塩基、アミノ酸、リボースなどの有機物は、生命起源にとって不可欠な物質であるものの、生命誕生期の地球でこれらの物質がどのように誕生したのかは分かっていない。

 今回の研究では、当時の地球大気の主成分である二酸化炭素が海洋に溶解して生成する重炭酸を炭素源とする、約1km/sの超高速衝突実験を物質・材料研究機構で行った。その結果、これまでに比べてはるかに多い種類、多量のアミノ酸が生成し、さらに複数の核酸塩基も生成することが明らかになった。

 今後は、さらなる研究を勧めることで、全容の解明や当時の地球での生成量の詳細な見積りがなされると期待されている。

 なお、この内容は「Earth and Planetary Science Letters」に掲載された。論文タイトルは、「Necleobase and amino acid formation through impacts of meteorites on the early ocean」。

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