ボルボがベストセラーモデル「V40」にダウンサイズ1.5リッターエンジンを搭載
2015年8月21日 11:17
世界的な自動車エンジンのダウンサイズ・トレンドが止まらない。ボルボの人気車であるV40のベーシックモデルに搭載していた1.6リッターエンジンが廃止され、1.5リッター直列4気筒直噴ターボエンジンを新たに搭載したモデルにスイッチする。
ボルボが新世代パワートレーン「Drive-E(ドライブ・イー)」と呼称する1.5リッター4気筒直噴ターボ「T3」エンジンのアウトプットは、最高出力152ps(112kW)/5000rpm、最大トルク25.5kg.m(250Nm)/1700-4000rpm。つまり、1700rpmという常用域から2リッターエンジン並みの出力と2.4リッターエンジンに匹敵する太いトルクを発生するダウンサイジング・ユニットなのだ。
組み合わせるトランスミッションも刷新され、デュアルクラッチ式の2ペダルから、電子制御6速オートマティックに換装となった。この狙いは太いトルクを柔軟に伝達しスムーズなドライバビリティを獲得するためだ。結果としてJC08モード燃費で16.5km/リッターを達成し、エコカー減税対象車の認定を受け、自動車取得税40%減税、重量税25%減税、グリーン化特例で翌年度の自動車税も50%減税となる。
ボルボは、2013年2月のデビュー以来、高い運動性能や革新の安全性、洗練されたエクステリア、北欧デザインのインテリアに加えて日本の道路事情に最適なボディサイズによる取り回しの良さなど、ボルボの魅力が凝縮したモデルとしてベストセラーモデルとなった。
現在、そのラインアップは、2015年7月に追加となったクリーンディーゼルエンジン搭載モデルである「D4」、ハイパワーな2リッター4気筒ガソリン・ターボエンジンを搭載する「T5」、そして今回発表の1.5リッター4気筒ダウンサイジング・ガソリンターボエンジンを搭載する「T3」となり、高い環境性能を誇るDrive-Eパワートレーンを全モデルに搭載することとなった。
ボルボDrive-Eは、同社が開発する新世代パワートレーン戦略であり、高い環境性能とドライビングプレジャーを両立する高効率ドライビングを実現するパワートレーンのコンセプト。最大シリンダー数4気筒、排気量は2リッター以下とし、クラストップレベルの出力特性と環境性能を両立する新世代パワートレーンだ。基本アーキテクチャーをガソリンとディーゼルエンジンで共有しており、それぞれに組み合わされる過給機の違いにより、標準出力から高出力まで、搭載モデルのニーズに合う様々なエンジンバリエーションを展開している。
クラストップの燃圧を実現した高圧インジェクター、徹底したエンジン内部の摩擦低減、オイルメーカーとの共同開発による専用低摩擦エンジンオイル、可変制御オイルポンプ、電動ウォーターポンプ、高性能ターボチャージャーの採用など主要コンポーネントの効率化を図り、ドライバビリティと燃費の改善を図っている。
V40に加わった「T3」の価格は324.0万円、上級装備の「T3 SE」は374.0万円だ。なお、ボルボは日本で販売する車両すべてに、高度な自動ブレーキシステムである、歩行者・サイクリスト検知機能付き追突回避・軽減フルオートブレーキや全車速追従機能付ACCをはじめとする10種類の先進安全装備・運転支援機能を標準装備している。(編集担当:吉田恒)