女性管理職の割合6.4%。進まぬ女性登用

2015年8月20日 22:20

 今後、日本経済が安定的に成長するためには、女性の社会進出が欠かせない要素であると言われている。もちろん、これまでも女性の社会進出が推し進められてきており、様々な業界や企業で「働く女性」の姿を見かけるようになった。それでは、こうした「女性の社会進出」は順調に推移しているのだろうか?

 13日に帝国データバンクが発表した、女性登用に関する意識調査によれば、2015年7月時点で女性管理職(課長相当職以上)がゼロであると回答した企業は、全体の50.9%であったことがわかった。前年よりも比率は0.6ポイント低下したものの、依然として過半数を占めている現状が明らかとなった。なお、社長を含む女性役員が不在の企業は、全体の60%以上を占めた。

 管理職における女性の割合は平均で6.4%であり、14年の時の調査結果よりも0.2ポイント上昇した。その一方で、従業員全体における女性の割合は平均で24.2%であり、役員では平均8.4%であった。業種別に見てみると、最も多かったのが「小売り」で平均13.1%であり、女性の登用の多い「不動産」も前年より2.1ポイント上昇して12.9%となった。その一方で、金融やサービス業は低下した。

 さらに、今後自社で女性管理職の割合が増えるかどうかについての質問に対して、「増える」と見込んでいる企業は全体の22.3%にとどまっており、女性管理職を増やすかどうかについて「変わらない」と回答した企業は全体の59.6%であり、最も多かった。

 政府は女性管理職の割合を20年までに30%にまで引き上げるとの目標を掲げており、帝国データバンクも今回の結果に対して、「企業においては新しい視点の取り入れや男性の働き方改革としても位置付けられるなど、人手不足に対する労働力確保だけでなく、企業の成長に女性の活躍が不可欠という認識も高まっている」という認識を示しているものの、今のところその目標達成に対して企業の足並みがそろっているとは言い難い状況だ。

 この意識調査は7月下旬に行われ、全国の2万3176社を対象に実施された。有効回答率は47.5%であった。(編集担当:滝川幸平)

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