中国の天津爆発:日本企業の被害が続出、トヨタ従業員50人負傷
2015年8月17日 13:33
*13:36JST 中国の天津爆発:日本企業の被害が続出、トヨタ従業員50人負傷
天津港湾部で12日夜起きた化学物質倉庫での大規模爆発に絡み、トヨタ自<7203>は14日に声明を発表し、現場周辺の社員寮に住んでいた現地従業員50人以上が負傷したことを明らかにした。死者は確認されていないという。
現場近くにある広汽豊田(広州汽車との合弁会社)と一汽豊田(第一汽車との合弁会社)のディーラー2店でも、ガラスが割れるなどの被害が出た。2店舗とも営業を停止している。このほか、一汽豊田の研究開発センターが損傷を受けた。合弁工場での生産を見合わせる方針。トヨタは16日、天津一汽豊田(第一汽車集団との合弁)の泰達工場、西青工場について、17~19日にかけて稼働停止すると発表した。20日以降に関しては、現地の状況を見極めながら改めて決める立場という。
トヨタの報道官はまた、爆発で一時保管していた完成車が廃車になったと明かしている。ただ被害の程度についてはコメントを控えた。負傷した従業員の数や、自動車や工場の損傷の程度など詳細についても、なお確認中だとしている。
17日付の盖世汽車網によると、日本企業ではこのほか、富士重<7270>のスバル車100台以上が割れたガラスで損傷。マツダ<7261>も日本からの輸入車50台が損傷を受けた。事故現場付近に店を構えるマツダのディーラーは、13日から営業を停止している。
中国に流通する輸入車は、その約40%が天津港を経由。その規模は2014年に50万台を超え、金額にして3724億人民元(約7兆2000億円)に上った。今回の大規模爆発によって損傷を受けた輸入車は、天津港全体で少なくとも1万台に達したと試算されている。1台当たりの平均販売価格を35万人民元とすると、直接的な経済損失は40億人民元に上った計算だ。
天津市浜海新区で12日午後11時ごろ、大きな爆発が発生。犠牲者の数は16日早朝の時点で112人に拡大した。そのうち24人の身元が判明している。このほか消防隊員85人を含む95人が行方不明となっている。現場は浜海新区天津港7号ゲートに位置する天津港国際物流中心区の一角。天津港瑞海国際物流公司の倉庫に保管されていた可燃性化学品が突然爆発した。周囲一帯が黒雲に覆われ、消火作業中に2回目の大規模な爆発が起きている。
【亜州IR】《ZN》