新設住宅着工戸数が4か月連続の増加。住宅購入のタイミングとポイントは?

2015年8月16日 15:37

 7月31日付で国土交通省が発表した「建築着工統計調査報告」によると、2015年6月の新設住宅着工戸数は前年同月比16.3%増となる8万8118戸で、4か月連続の増加を示した。また、着工床面積も11.5%増で、2か月連続の増加となっている。同省では、住宅着工戸数が伸びている要因として、消費税引き上げに伴う駆け込み需要の反動減の影響が薄れたこと、そして今般の経済対策の効果を挙げている。

 消費税率10%への引き上げ時期も17年4月に先送りされた今、住宅を購入するタイミングと考えている人も多いようだ。住宅金融支援機構の住宅市場動向調査「平成27年度における住宅市場動向について」でも、一般消費者の22.3%が「買い時」、30.7%が「どちらかと言えば買い時」と答えており、「どちらかと言えば買い時ではない」「買い時ではない」と答えたのは、わずか4.6%に留まった。

 それでは、住宅を購入するときのポイントは何だろう。まずは、住宅購入の流れを知ることが大切だ。契約や引き渡し、入居までに必要な手続きやタイミング、住宅ローンなどの資金計画についてしっかりと把握しておかないと、スムーズな住宅購入は望めない。大きな買い物だから、後々のトラブルの火種にもなるだろう。そして次のポイントとしては、家自体の性能、設備、快適さなどがある。とはいえ、初めてのマイホーム購入では、性能や快適さといわれても、よく分からないことも多いから、ついつい見た目の豪華さや最新設備という言葉に惑わされえしまいがちだ。最近ではHEMSや省エネ設備、太陽光発電設備など、確かに魅力ある設備が増えているが、電気製品というものは、今は最新でも10年もすれば旧式になってしまうことは避けられない。20年もすれば取替も検討しなくてはならないだろう。予算に余裕があれば、もちろん最新のものをつけるべきだが、将来的なことを考えれば、設備よりも家自体の性能や耐久性を重視した方が良い。

 例えば、防火性能。火事は自分の家から発生するだけでなく、隣家の火災に巻き込まれる恐れもある。ヘーベルハウス・ブランドで知られる旭化成<3407>は「火に強いことは外壁にとって最も大切な条件のひとつ」とし、火や熱に強く、煙や有毒ガスも発生しないコンクリート系外壁材のパワーボードを外壁に使用。800度以上の高熱にも耐えられるようにすることで、延焼被害を最小限に食い止める防火性を実現した。そして、日本では火災よりも関心が高いのが震災だ。建築基準法では、木造住宅に対して地震の揺れに耐えるために必要な耐力壁の量を決めており、耐力壁の性能を示す数値として「壁倍率」を定めている。これについては、自動車用防振ゴムにおいて世界トップシェアを誇る住友理工<5191>がその技術を活かし木造住宅用の制震システムTRCダンパーを住宅メーカーや工務店などに提供しており、採用する工務店が増えている。同社のTRCダンパーは、通常の耐力壁に比べ、特殊粘弾性ゴムが地震によるエネルギーを吸収し、より大きな変形でも損傷しないことが実験により確認されている。さらに、粘弾性の特徴で、繰り返しの地震に対しても高い効果を発揮することが実証された。その性能は、国土交通省大臣の認定や日本建築防災協会の技術評価等の公的機関での認定を受けている事でもお墨付きだ。新築だけでなく、リフォームにも使用可能なうえ、1邸毎に無料で時刻歴応答解析を用いた解析シミュレーションを実施しており、導入前にその効果の確認が可能なことから、工務店や施主からの評価も高いという。

 人と不動産の関係は多様化し、高度成長期のようなマイホーム神話は今の時代には成立しないのかもしれない。しかし、それでもなお、マイホームは人生最大の買い物であり、憧れであることには違いないだろう。住宅購入を考える際は、価格の安さや見た目だけに惑わされているのではなく、30年先、40年先の将来を見据えた目で挑みたいものだ。(編集担当:松田渡)

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