「H-IIB」ロケット5号機、打ち上げを1日延期 天候不良で

2015年8月15日 19:48

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業は8月14日、16日に予定していた「H-IIB」ロケット5号機の打ち上げを、天候不良により延期すると発表した。新しい打ち上げ予定日は17日に再設定されたが、今後の天候状況によっては、さらなる延期の可能性もあるという。

 H-IIBロケット5号機は、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を補給する「こうのとり」5号機を搭載し、2015年8月16日21時58分に種子島宇宙センターから打ち上げられる予定だった。

 しかし、打ち上げ日当日の天気が悪く、特に雷が発生する可能性もあることから、ロケットや作業する人員への影響を考え、延期を決定したという。ロケット打ち上げ時の制約条件の中に「発射前および飛行中において、機体が空中放電(雷)を受けないこと」という項目があり、この条件に引っかかる可能性があった。

 新しい打ち上げ日は、翌日の8月17日に再設定されている。時刻については、国際宇宙ステーションの軌道などとの兼ね合いから、国際調整によって最終的に決定されることになる。

 ただ、現在の天気予報では、17日も悪天候が予想されることから、さらなる延期の可能性もあるとしている。三菱重工の平嶋秀俊(ひらしま・ひでとし)MILSET長は「17日に打ち上げられる可能性がまったくない、というわけではないという判断をJAXAと行った」と説明した。

 なお、通常であれば、打ち上げ日時を、その2日前までに関係機関などに通知、発表することになっているため、17日に打ち上げられる場合も、あるいは延期される場合も、15日中に発表が行われるものと思われる。

 これまでの打ち上げ準備は、ほぼ予定通りに進められており、天候以外は16日の打ち上げに問題はない見込みだった。

「こうのとり」5号機には、水や食料、生活用品をはじめ、実験装置、またISSのシステムで使われる部品など、およそ約5.5トンもの補給物資が搭載されている。打ち上げ後、「こうのとり」5号機は約15分で地球をまわる軌道に入り、およそ4日後にISSに到着する。そして物資の搬出作業が行われた後、ISSで発生したゴミや、不要になった実験機器などを搭載し、9月下旬にISSから離脱。その翌日に大気圏に再突入して燃え尽き、ミッションを終える予定となっている。

■JAXA | H-IIBロケット5号機による宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機(HTV5)の打上げ延期について
http://www.jaxa.jp/press/2015/08/20150814_h2bf5_j.html

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