(中国)人民銀は「10%元安論」否定、「長期的には強い通貨」と強調
2015年8月14日 10:22
*10:25JST (中国)人民銀は「10%元安論」否定、「長期的には強い通貨」と強調
事実上の人民元切り下げに世界各国の金融市場に動揺が広がるなか、中国人民銀行(中央銀行)の高官が公の場に姿を見せ、沈静化に乗り出した。易綱・副総裁は13日の記者会見で、「人民銀の目的は為替相場の決定メカニズムのなかで、市場の需給関係に決定的な作用を持たせることだ」と強調。そのうえで、「元相場を10%引き下げて輸出をテコ入れする」と一部メディアが報じたことに対し、「根も葉もないうわさ」と切り捨てた。
記者会見には、張暁慧・総裁助理(補佐官)も出席。基準値算出方法の見直しから2日を経て、これまで蓄積された元安圧力は基本的に織り込まれたとの見方を示した。「長期的に見て、人民元が強い通貨であることに変わりはない」と強調している。
一部メディアは12日、消息筋情報として、「中国政府内部で、一段の元安を求める声が高まっている」と報道。輸出のテコ入れが狙いで、「10%の切り下げを主張する声も上がっている」と伝えていた。
人民銀は11日、事実上の元切り下げに踏み切った。対米ドル基準値の算出方法を見直し、マーケットメーカーが提示するレートに加えて、前日終値や国際主要通貨の動向なども参考に基準値を決定することを明らかにしている。この変更を受け、同日の基準値は約2%の元安水準に設定された。その後も元安誘導が続く。13日までの3日間で基準値の下落率は4.7%に達した。
【亜州IR】《ZN》