(中国)天津の化学品倉庫爆発で鎮火難航、犠牲44人に拡大
2015年8月14日 08:26
*08:28JST (中国)天津の化学品倉庫爆発で鎮火難航、犠牲44人に拡大
天津市内の港湾倉庫が爆発・炎上した事故で、犠牲者の数は13日12時時点(日本時間13時)の時点で44人に拡大した。うち12人は、通報で駆け付けた消防隊員。遺体は泰達医院に搬送された。さらに別の消防隊員が現場に取り残されている。現場は浜海新区天津港7号ゲートに位置する天津港国際物流中心区の一角。これまでに520人が入院し、うち66人は重傷を負っている。複数の中国メディアが伝えた。
すでに10時間以上が経過したものの、依然として4カ所で炎上、6カ所で黒煙が舞い上がっている。毒性の強い青酸ナトリウムが倉庫に保管されていた恐れもある点を考慮し、救援作業は膠着状態に陥った。散発的な爆発が続くなか、有害物質の飛散を懸念する声も上がっている。危険物質の総量、名称などの詳細はまだ明らかにされていない。
12日の22時52分ごろ、天津港瑞海国際物流公司の倉庫に保管されていた可燃性化学品が突然爆発。周囲一帯が黒雲に覆われ、消火作業中に2回目の大規模な爆発が起きた。河北省など周辺地区でも揺れが観測されている。TNT火薬21トン相当の威力があったという。事故現場から50メートル離れた高速道路架橋も被災。緊急の安全点検に乗り出した。
隣地に停められていたルノー新車6000台のうち、1000台以上が焼けた。消防車5台も大きく損傷している。
天津市公安局によると、瑞海国際物流公司(天津東疆保税港区)は、2011年に資本金5000万人民元で発足。天津港で危険品コンテナの中継、集散拠点を運営している。
惨事の影響を考慮し、天津市街と浜海新区を結ぶ電車の「津浜軽軌9号線」は、13日の運休を決めた。
倉庫の爆発事故に関し、習近平国家主席は、なるべく迅速に消火活動を急ぐとともに、けが人の救助を行うよう指示した。
一方、事故後10時間以上が経過したにもかかわらず、現地主要テレビメディアの天津衛視は、事故の報道を控えている。「韓流ドラマ」を流し続けた。この対応に関して、ネットユーザーの多くから不満の声が聞かれている。
【亜州IR】《ZN》