(中国)「iPhone」生産の富士康鄭州工場で投身相次ぐ、4日間で2人死亡
2015年8月12日 13:23
*13:23JST (中国)「iPhone」生産の富士康鄭州工場で投身相次ぐ、4日間で2人死亡
米アップル製品の受託生産を主に手がける富士康科技集団(フォックスコン)の河南
省鄭州工場で、従業員の自殺が相次いでいるようだ。7日20時ごろ、従業員宿舎「棗
福公寓」の近隣地面に女性従業員の遺体が発見されている。死亡原因などの詳細は明
らかにされていない。犠牲者の名前が「李さん」ということだけ分かっている。複数
のメディアが12日、外電情報として伝えた。
フォックスコンの鄭州工場では、4日早朝に労働者1人が高所から飛び降りて投身
自殺したばかり。4日間で2人が自殺したこととなる。
工場側によると、死亡した28歳の男性労働者は、脳腫瘍を患っていた。病を苦に
して自殺した可能性もあるという。ただ、これに関しては、まだ裏付けがとれていな
い状況だ。
9月に発売を予定する「iPhone 6S」「iPhone 6Plus」の大幅増産に備えて、同鄭
州工場ではこのところ、毎日1000人を超える臨時契約社員を新規雇用。採用数に上限
枠を設けていないほか、年齢の下限を18歳にまで引き下げた。
増産の圧力が増大するなか、過去にも同工場では死亡事件や騒乱が起きている。
「iphone5」を増産した2012年10月には、数千人が抗議のストライキを展開した。品
質向上を求める工場側から、大きな心理的ストレスがかけられたためとみられてい
る。
13年には、20日間に男性2人、女性1が相次いで投身自殺した。今年5月31日には、
労働者同士が喧嘩。2人が死亡する事件までが起きている。
富士康科技は台湾・鴻海精密工業(2317/TW)傘下の中核企業。台湾を本拠とする
鴻海精密工業は、EMS(電子機器受託製造)で世界最大手。グループの従業員総数が
120万人に上る。うち100万人超は中国に在籍。鴻海グループには、携帯端末OEMメー
カー大手の富智康集団(旧社名は富士康国際HD:2038/HK)も含まれる。
【亜州IR】《ZN》