大成建設、東大ほか5社と覆工コンクリートの給水養生工法を開発

2015年8月11日 16:05

 大成建設は11日、東京大学生産技術研究所、日豊、東宏、国際紙パルプ商事、宇部エクシモ、テクノ世紀と共同で、覆工コンクリートの給水養生工法「キュアマイスター」を開発したと発表した。

 大成建設によると、トンネル工事ではこれまで、天井や壁面コンクリートに発生するクラックを防ぐため、覆工コンクリートの養生に、ミストの噴霧や簡易的に水を貯め給水する方法を用いてきた。しかし、これらの方法では硬化直後のコンクリート表面に直接水を流すことになるため、均一に給水しにくく、コンクリートの耐久性や表面の美観にばらつきが出るなどの課題があった。

 今回開発した「キュアマイスター」は2種類の特殊養生マット(「特殊薄膜不織布」、「特殊凹凸マット・不織布」)と給水システムを組み合わせて給水養生する工法。トンネル天端部分では2種類の特殊養生マット(覆工コンクリート側に「特殊薄膜不織布」、トンネル内空側に「特殊凹凸マット・不織布」)を用い、両マットで多数の孔の空いた給水管を挟み込むように配置する。そして、トンネル側壁部分では天端部分で使用した「特殊凹凸マット・不織布」をそのまま連続して使用し、覆工コンクリート面を覆うように配置する。

 これらの特殊養生マットの配置後に、空気で膨らむバルーンによる抑え部材を用いて、トンネル内空側から特殊養生マットを覆工コンクリート面に押し付け、給水管を介して給水する。これにより、トンネル天端部分から側壁部分まで、覆工コンクリート表面に養生水を均一に給水、分散させることが可能になるという。

 覆工コンクリートの給水養生工法として有効性が確認できたため、今後は国内のトンネル建設工事に本工法を積極的に提案し、適用を図っていくという。

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