人民元相場切り下げ、SDR組み入れに備えた動きか?

2015年8月11日 13:55


*13:59JST 人民元相場切り下げ、SDR組み入れに備えた動きか?
 中国人民銀行は11日、人民元の中心レートを1ドル=6.2298元に設定し、前日の6.1162元から約1.9%切り下げることを発表した。大幅な切り下げだが、人民銀行は為替相場の柔軟性が高まるとの見解を表明している。

 市場関係者の間では、人民元の切り下げは経済情勢の悪化に対応したものではないか?との声が聞かれているが、人民元のSDR組み入れに備えた制度改革の一環ではないか?との指摘もある。

 人民元のSDR組み入れは米国が難色を示しているとの憶測が流れており、年内に決定されることはないとの見方がある。しかしながら、貿易取引や購買力平価基準で経済規模が世界トップとなっている国の通貨がSDRの構成通貨に含まれていない状態が続くことは不自然であるとの意見は少なくない。

 なお、中国が人民元のSDR組み入れを想定しているとすれば、組み入れ比率を考慮しているはずである。最初から米ドルに次ぐ比率になることは確実であり、将来的には米ドルを上回ると予想されている。そのような状態になることの可否は、中国自身が決めると言っても過言ではないかもしれない。《MK》

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