脳の活動を測定することで、動画広告の評価が可能に
2015年8月11日 11:49
情報通信研究機構などによる共同研究グループは、脳情報解読技術が、テレビCMを中心とした動画広告の評価・改善・出稿前の効果予測などに応用可能であること明らかにした。
これまで、テレビCMなどの動画を用いた広告の評価は、静止画を見せて主観で解答するといった方法で行われていた。しかし、この評価方法では、シーンごとのリアルタイムな印象など、より実態に即した精度でのきめの細かい評価を行うことが難しく、評価を踏まえた効果的な改善施策の構築が困難であった。
今回の研究では、テレビCM視聴時の男女4名の脳活動データをfMRIにて取得した。その結果、脳活動のパターンから、視聴者の認知内容を解読するためのモデルを構築することで、評価したいCMのシーンごとに、その視聴中の脳活動から「認知対象物」「認知対象動作」「印象」について、確率の高いものをアウトプットすることが可能になった。また、テレビCMの型式や手法についても、幅広く対応することが可能であることが分かった。
研究グループは、2015年9月以降、上記実証実験の成果を基に、実際のマーケティングソリューションとして動画広告・コンテンツ評価サービスのトライアルバージョンの提供を開始することを予定しており、このサービスは、最先端の脳活動情報のビッグデータ、実社会のメタデータ、人工知能による自然言語処理技術、脳情報解読技術を組み合わせた、世界初のサービスになるという。