【8/4IMM】円売り持ち、来週は米小売やJOLT,中国の貿易統計に注目
2015年8月10日 07:04
*07:08JST 【8/4IMM】円売り持ち、来週は米小売やJOLT,中国の貿易統計に注目
8月4日付けのシカゴIMM、投機・投資家筋のポジションで円の売り持ち高は、前週から一段と増加し6月最終週以来で最大となった。
◎8/10週のポイント
米国経済が予想に一致したペースで成長を継続し著しい混乱もなかった場合、9月に連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げを開始する可能性が一段と強まった。引き続き、FOMCの9月の利上げの可能性を探る展開が続く。7月の労働市場情勢指数、6月のJOLT求人で労働市場のたるみの状況をさらに見極めていく。また、7月の小売売上高にも注目。さらに、7月の輸入物価指数、生産者物価指数でインフレ動向を確認する。また、原油安などの要因となっている中国経済動向にも注目が集まる。
●中国
7-8日:7月貿易収支:+547億ドル(6月465億ドル)、輸出:前年比-1.5%(6月+2.8%)、輸入:前年比-8.0%(6月-6.1%)
8日:7月消費者物価指数:前年比+1.5%(+1.4%)、7月PPI:前年比-5.0%(-4.8%)
●米国
10日:ロックハート・アトランタ連銀総裁講演、7月労働市場情勢指数(6月0.8%)
13日:7月小売売上高:予想前月比+0.6%(5月-0.3%)、7月輸入物価指数:予想前月比-1.1%(-0.1%)
14日:7月消費者物価指数(PPI):予想前月比+0.1%(6月+0.4%)
○イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード
◎危機前に比べ状態が改善 危機前の水準と比較
7月雇用者数(Nonfarm payrolls):21.5万人(6月23.1万人) 16.18万人(上回る)
5月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.2%(4月1.3%) 1.4%(下回る)
5月求人率(Job openings rate):3.6%(4月3.6%) 3%(上回る)
◎状態が危機前より依然悪い
7月失業率(Unemployment rate):5.3%(6月5.3%) 5%(上回る)
5月退職率(Quits rate):1.9%(4月1.9%) 2.1%(下回る)
7月広義の失業率(U-6):10.4%(5月10.5%) 8.8%(上回る)
5月採用率(Hires rate):3.5%(4月3.6%) 3.8%(下回る)
7月長期失業率(15週以上):41.5%(6月42.7%、前年47.8%) 19.1%(上回る)
(27週以上):26.9%(4月25.8%、前年33%)
7月労働参加率:62.6%(6月62.6%) 66.1%(下回る)
米連邦公開市場委員会(FOMC)の9月の利上げの可能性を探る展開が続く。イエレンFRB議長が労働市場のたるみを判断する上で好んで使用している7月の労働市場情勢指数、6月のJOLT求人でたるみの状況をさらに見極めていく。また、7月の小売売上高にも注目。7月のFOMCで、雇用や住宅の判断が上方修正されたにもかかわらず判断が据え置かれたインフレの動向で、7月の輸入物価指数、生産者物価指数に注目される。
金融各社は4-6月期国内総生産(GDP)の見通しを3%成長近くに引き上げている。製造業受注、在庫、建設支出の改善を理由に挙げた。1-3月期のGDPは昨年と同様に異例な寒波の影響を受けて出遅れたが、このペースでいくと2015年の成長がFRBの見通しである1.9%成長を上回る可能性も出てきた。FOMCは、1-3月期の弱い経済が異例な寒波という一時的な影響ではない可能性を懸念していたが、4-6月期のGDP速報値の改善でその懸念が幾分緩和したと見られる。
また、7月の雇用統計でも失業率が7年ぶりの低水準を維持。不完全雇用率も10.4%と、予想外に6月から低下し、2008年6月以降7年ぶりの低水準となった。賃金は前月比で0.2%増と6月の横ばいから上昇。一方、前年比では+2.1%と、上昇予想に反して6月と同水準の伸びに留まっている。また、パートタイムの雇用が増えるなど、雇用の質への問題が残る。長期失業率も低下しているものの、依然として高止まり。労働参加率は62.6%と、数十年ぶりの低水準で推移していることは引き続き懸念材料となる。商品価格の下落の影響を受け、昨秋からペースが加速している石油などコモディティ関連の雇用の削減が懸念材料となり、今後、ネガティブサプライズを与える可能性も除外できない。
ただ、7月の雇用統計の結果は全般的に緩やかながら雇用の改善を示唆し、利上げを正当化するとの見方。今後、経済で思いもかけない混乱が浮上しない限り、9月にFOMCが利上げに踏み切る可能性は十分あるとみられる。9月会合までに、8月の雇用統計、4-6月期GDPの修正の結果をさらに吟味していくことになる。
●欧州
13日:欧州中央銀行(ECB)が16日の定例理事会報告を公表
●地政学的リスク
ウクライナ紛争
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
【IMM】
*日本円
ネット・円売り持ち:-79,716(8/4)←円売り持ち:-63,538(7/28)
(直近ネット円買い持ち最高水準:08年3/25+65,920、04年2/6+64499)
(過去最高ネット円売り持ち高:07年6/26-188,077)
*ユーロ
ネット・ユーロ売り持ち:-113,394(8/4)←ユーロ売り持ち:-104,008(7/28)
(07年5/15:+119,538過去最高買い持ち高、10年2/9-57,152過去最高の売り持ち高)
*ポンド
ネット・ポンド売り持ち:-6,557(8/4)←ポンド売り持ち:-9,788(7/28)
(07年7/22:直近ネット買い持ち高最高水準+98,366)
*スイスフラン
ネット・スイスフラン売り持ち:-1466(8/4)←スイスフラン買い持ち:+124(7/28)
(過去最高スイスフランネット売り持ち高:07年6/19:-79,331)
*加ドル
ネット・加ドル売り持ち:-64,180(8/4)←加ドル売り持ち:-56,067(7/28)
(直近ネット買い持ち高最高水準:07年10/12+83001)
*豪ドル
ネット・豪ドル売り持ち:-49,412(8/4)←豪ドル売り持ち:-50,659(7/28)《NO》