電気化学工業、独バイオ医薬品研究開発企業を買収
2015年8月7日 15:42
電気化学工業(デンカ)は7日、ドイツのバイオ医薬品研究開発企業Icon Genetics GmbH(アイコン社)の全株式を2段階にわたって取得することで合意したと発表した。
アイコン社が保有する技術プラットフォーム、「magnICON」は、植物の遺伝子組換え技術を用いて、抗体やワクチン抗原等の高分子タンパク質を産生する技術で、微生物培養や昆虫・哺乳動物の細胞培養に比べて、高分子タンパク質を、安全に、低コストかつ短時間で、大量生産することを可能とする。第三者の専門的機関からも、同様な植物由来の技術に比べ、収率や生産コストの点で優位性があるとの評価を受けているという。
デンカグループはこの買収によって、これまで手掛けていないノロウィルスワクチンなどの新規ワクチン開発に取り組むとともに、デンカ生研が手掛ける季節性インフルエンザワクチンに関しても、従来法に代わる新たな生産技術、さらには検査試薬に使われる抗体製造技術を獲得する。
デンカは経営計画「Denka100」の中で、「成長ドライバーへの資源集中と次世代製品開発」として、健康・医療分野への経営資源の集中を掲げており、そのなかでもワクチン、検査試薬の事業展開を、最重要テーマとしている。