NYの視点:米7月雇用統計はネガティブサプライズを警戒、雇用削減数が4年ぶりの高水準に

2015年8月7日 07:28


*07:28JST NYの視点:米7月雇用統計はネガティブサプライズを警戒、雇用削減数が4年ぶりの高水準に

米連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーは米国の労働市場に関し、「目標である完全雇用に一段と近づいた」と楽観的な評価を下した。9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が強まる中、7月、8月の雇用統計でもおそらく連邦公開市場委員会(FOMC)が雇用の正常化と見る20万人超の雇用の増加が見られると予想されている。

そんな中、雇用の削減ペースが加速したことが明らかになった。民間のチャレンジャー・グレイ・クリスマス社が発表した7月人員削減数は前年比125.4%増の105,696人となった。増加幅は2011年9月以降で最大を記録。また、10万人超えも2011年9月以降4年ぶりとなる。雇用削減数増加の主な要因は、政府の歳出削減を目指した米国軍の縮小と民間企業が給与削減を目指したためと見られている。テック関連での雇用削減も目立った。マイクロソフト社はノキア部門閉鎖で7800人の雇用削減を発表したほか、クウォルコムも4500人の削減を発表。原油安など商品価格の下落を受けて、商品市場関連の職も失われつつありどの程度、全体指標に影響するか不透明だ。コンサルタント会社による統計で、世界的に今まで発表されただけでも油田関連で87500人、探査関連で24200人、石油採掘業者で35500人の雇用が削減が実施、またはその過程にあるという。石炭などを輸送する需要が減ることなどから、今後、鉄道などでもコストカットの一環とした雇用の削減が予想されている。

米国労働省が発表する雇用統計と最も相関関係が強いとして注目される民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の7月分の増加数は予想外に20万人を割り込み、4月来の低い伸びに留まった。米7月の雇用統計ではネガティブサプライズに警戒が必要かもしれない。《NO》

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