熱中症に注意! 1日に必要な水分量、足りているのは「47都道府県中、5都府県だけ」
2015年8月3日 16:56
連日の暑さにより、熱中症で倒れる人が増えている。総務省消防庁のまとめによると、7月20日~26日までの1週間に熱中症で病院へ緊急搬送された人は、全国で7392人(速報値)に上った。今年に入って過去最高で、消防庁では「のどが渇かなくてもこまめに水分補給すること」、「室温28℃を超えないよう、エアコンや扇風機を上手に使うこと」などを呼びかけている。
一方で、1日に必要な水分量(1200ml)をきちんと摂取できているのは、全国47都道府県中、京都府、静岡県、宮城県、鳥取県、東京都の5都府県のみであることが、医学博士らでつくる「水を考えるプロジェクト」の調査で分かった。多くの日本人は、必要な水分量を摂取できていない。
調査は今年5月、全国20~70代の男女600名を対象に、ウェブアンケートで実施。人間が尿や発汗、呼吸などによって1日に排泄する水分は、2500mlといわれている。この「1日に排泄される水分量」と、同じくらいの水分を補給する必要があるが、300mlは体内代謝で発生する“代謝水”として得られるため、「1000mlを食事から、残りの1200mlは飲料水から」補給する必要があるという。ところが、全回答者に「あなたは7~8月に、熱中症対策として1日にどの程度水を飲むか」と聞いたところ、基準の「1200ml」を摂取できているのは、京都府(1460.36ml)、静岡県(1439.68ml)、宮城県(1432.83ml)、鳥取県(1241.72ml)、東京都(1210.91ml)の5都府県だけだった。
約9割の道府県が必要水分量を摂取できていないとの結果だが、最下位の山口県に至っては、必要量の半分以下(585.16ml)にとどまっている。理由は分からないが、水分補給が少ない地域としては他にも、46位の鹿児島県、45位の愛知県、44位の山形県などがランクインした。
さらに「驚きの結果」とされているのが、日本国内でも特に暑いエリア、熊谷(埼玉県)・多治見(岐阜県)・館林(群馬県)の3都市がある県の結果だ。それぞれ熊谷(637.60ml)、多治見(1128.39ml)、館林(709.42ml)と、平均よりも飲用量が少ない。「水を考えるプロジェクト」では、「これらの地域では水分摂取だけでなく、独自の熱中症対策をおこなっているのかもしれない」とコメントしている。
いずれにせよ熱中症を避けるには、のどが乾いていなくてもきちんと水分・塩分(ナトリウム)を摂ることが不可欠だ。消防庁では、暑さから脱力感や倦怠感が強く、動けない場合は「ためらわずに救急車を呼んで下さい」と注意喚起している。(編集担当:北条かや)