首都圏の独身男女、47%が「現代は無縁社会」
2015年8月2日 20:05
2010年から2011年頃にかけて、メディアでは「無縁社会」という言葉をよく耳にした。きっかけは、NHKスペシャルの「無縁社会~“無縁死”3万2千人の衝撃~」(2010年1月31日)。その後も、朝日新聞が「孤族の国」特集を組むなど、人と人とのつながりが薄れつつある現代社会に警鐘を鳴らすメディアが相次いだ。震災後は一転して、「絆」の大切さが叫ばれた時期もあったが、単身世帯が増え続ける中、人々の「孤立」の問題が解決したとはいえない。
株式会社オウチーノが、首都圏に住む20歳以上の独身男女861名(学生以外)を対象に調査したところ、4人に1人は「隣人の顔を知らない」と答えた。さらに6割は「何かあったとき、近くに頼れる人がいない」と答え、約半数の47.1%は、「現代は『無縁社会』だ」と感じているという結果になった(「無縁社会」に関する実態調査)。
「あなたの家の隣に住んでいる人のことを知っていますか?」と聞いたところ、「頻繁に会う・話をする」人はわずか4.8%、「時々会う・話をする」が10%、「会うと挨拶をする程度」が47.6%だった。一方、「顔は知っているが、話したことはない」は9.8%、「知らない」は27.8%で、4人に1人は、隣に住んでいる人の顔も知らないと回答している。年代別では、若い層ほど「普段隣人とコミュニケーションをとらない」割合が高かった。
「自分に何かあったとき(トラブル、天災、病気など)、近くに頼れる人はいますか?」と聞いた結果も、同じような傾向だ。全体では、「たくさんいる」(3.9%)、「何人かいる」(33.8%)、「ほとんどいない」(18.1%)、「全くいない」(44.2%)となり、6割の独身男女は、何かあったとき頼れる人が近くにいない。こちらも、若い人ほど「いない」割合が高かった。男女別では、男性の方が「いない」と答える割合が高く(67.3%)、女性(57.2%)との差は約10ポイントに達した。
また、「現代は『無縁社会』だと感じますか?」と尋ねた結果では、「とてもそう感じる」(14.2%)、「まあまあそう感じる」(32.9%)を合わせて47.1%が、「現代は無縁社会だ」と回答。その理由を聞くと、「他人に干渉しない人、個人主義な人が増えたから」という声が最も多かった。調査した㈱オウチーノのコメント、「核家族化や単身世帯の増加、ライフスタイルの多様化などにより、地域や家族間の繋がりが希薄になりつつある」は、ある程度「真実」なのだろう。(編集担当:北条かや)