燃料電池車(FCV)/電気自動車(EV)を非常用電源(蓄電池/発電機)として使う実証実験開始
2015年8月2日 13:51
鳥取大学医学部附属病院とHondaは共同で、燃料電池自動車(FCV)や電気自動車(EV)から最大出力9kWの電力を使用可能にする外部給電用インバータ「Power Exporter CONCEPT 9000」を用いた実証実験を、2015年8月から実施する。
今後の普及拡大が見込まれるFCVやEVは、車両そのもので大電力を発電・蓄電する機能を持っている。この機能を活かし、電力をFCVなどの走行エネルギーだけではなく、電力を各家屋や医療機関などの外部へ供給することで、車両を電源として活用することが可能になり、「走る電源」として、災害時などにクルマに充電した電力をコミュニティに提供することができる。
ホンダは、昨年秋に新型FCVのコンセプトカー「Honda FCV CONCEPT」を発表。この新型FCVは2015年度内に国内販売を開始するという。小型化した燃料電池スタックを含めたすべてのパワートレーンを、市販車としては初めてセダンタイプのボンネット内に搭載。これによって大人5人が余裕で乗れるキャビンが実現し、将来的にはこの燃料電池パワートレーンを複数の車種に展開できる可能性がある。
70MPaの高圧水素タンクを搭載し航続距離700km以上を実現。しかも水素タンクの再充填は約3分と、現在のガソリン車などの給油時間とほぼ同じ実用性を確保している。
新型の燃料電池車とともに発表されたPower Exporter CONCEPT 9000は、Hondaが発電機事業で培った、さまざまな負荷に対応するノウハウと世界中の電圧・周波数に対応した電源技術により、家庭の電源と同等レベルの高品質な電気を供給する。
今回の実証実験は、Power Exporter CONCEPT 9000の高い電力品質を活かし、濃縮酸素供給装置やポータブルX線装置、ドクターカーなど、さまざまな医療機器へ給電を行ない、災害時などの総合的な医療活動への効果を検証する。(編集担当:吉田恒)