三陽商会15年6月中間期 「バーバリー」駆け込み需要とコート好調で大幅増収増益

2015年8月1日 22:46

(左から)松浦薫代表取締役経理計画本部長、杉浦昌彦社長、岩田功取締役経営統括本部長

 三陽商会の15年12月期第2四半期(1~6月)の連結売上高は、前年同期比3.9%増の553億3,330万円、営業利益が同71.7%増の77億5,400万円、経常利益が74.7%増の79億8,300万円、純利益が60%増の50億7,700万円と大幅な増収増益となった。コートなど重衣料の販売が好調に推移したほか、アジアを中心とした外国人観光客の増加が売上増に寄与。6月に販売を終了した「バーバリー ロンドン」への駆け込み需要や、消費税増税後の売り上げが落ち込んだ前年4・5月の反動増などもプラス要因となった。

 プロパー商品の動きがよく、売り上げ構成に占める割合も80%と前年同期に比べて4ポイント上昇。加えて、経費効率化や不採算店舗の退店(中止ブランドを除く47店舗)などによって約14億円の販売管理費削減を行ったことも、粗利益改善に貢献した。

 下期は、「バーバリー ロンドン」に替わる基幹ブランドとして今秋冬企画からスタートした「マッキントッシュ ロンドン」や、「ブルーレーベル・クレストブリッジ」「ブラックレーベル・クレストブリッジ」(以下「クレストブリッジ」)に注力。巨額の広告費を投入し、プロモーション活動を行う予定だ。

 「マッキントッシュ ロンドン」は9月初旬までにバーバリー店舗のおよそ7割に当たる260店舗をオープン。「クレストブリッジ」も8月にかけ、既存約150店舗のロゴやファサードを同ブランドに変更する。順次立ちあがっている両ブランドについて、杉浦社長は「読み通りの数値で推移している」と期待を寄せた。

 今後「マッキントッシュ ロンドン」は、早期受注会を開くなど顧客に対するアプローチを強化。「クレストブリッジ」は、インバウンド売り上げの中核を担っていた「バーバリー銀座店」が6月で営業を終了したことを受け、中国銀聯カードとの連携を検討するなど、「インバウンドの受け入れ体制をしっかり整えたい」(杉浦昌彦社長)という。

 15年12月期の通期業績予想は、連結売上高が前年同期比9.9%減の1,000億円、営業利益34.3%減の68億円、純利益62%減の24億円。上半期の業績好調を受け、それぞれ上方修正した。

▼EC売り上げは3%減

 EC売り上げは前年同期比3%減の17億2,000万円だった。売り上げをけん引していた「エポカ」のリブランデング戦略が進捗途中であることが影響した。「引き続き力を入れる分野として、100億円事業へと育てたい。在庫の同期化や顧客情報の開示・活用、店舗との協業を進めるなど、オムニチャネル化する上での様々な垣根をなくしていきたい」(杉浦社長)。

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