中国自主ブランド勢がSUV市場で快進撃、上期販売93%成長
2015年7月28日 13:31
*13:31JST 中国自主ブランド勢がSUV市場で快進撃、上期販売93%成長
減速感が強まる中国の新車販売市場で、SUV(スポーツ多目的車)の販売が好調を持続している。中でも快進撃を見せているのは、中国自主ブランド車勢。SUV部門の好調に支えられて、12カ月連続で落としていた国内販売シェアを回復しつつある。中国経済網が伝えた。
中国自主ブランド勢の今年上半期・SUV販売は、92.8%増の141万7700万台に拡大。国内SUV市場でのシェアは53.3%(前年同期比↑12.9ポイント)に拡大した。これを追い風に、乗用車全体市場でもシェアを取り戻しつつある。上半期販売は14.57%増の418万4600台に達し、国内シェアは41.45%(同↑3.54ポイント)に上昇した。
上半期の車種別SUV販売ランキングでみても、中国自主ブランド勢のプレゼンスは高い。上位10車種のうち6車種、上位5車種のうち4車種を中国自主ブランドで占めた。販売首位は長城汽車(2333/HK)の「哈弗H6」。前年同期比20.2%増の17万2006台を売り上げた。昨年7月に発売した「哈弗H2」も健闘。7万7158台を売り、6位につけている。
形勢逆転を図って合弁勢も動き出した。今年4月に入って、上海大衆(上海汽車と独フォルクスワーゲンの合弁)、長安福特(長安汽車と米フォードの合弁)、北京現代(北京汽車と現代自動車の合弁)などが相次ぎ、メーカー希望小売価格を引き下げた。この値下げ戦略が功を奏し、6月のSUV販売ランキングでは、合弁6車種が上位10位内に入った。うち、長安福特の小型SUV「クーガ」は、同月販売が60%増の6万8396台に伸びた。日産「エクストレイル」も2ケタの伸びを達成し、7万253台を販売している。
一方、韓国勢は苦戦を強いられた。「選車網」の集計によると、韓国勢の上期中国SUV販売は18万1776台で、第5位。中国SUV市場でのシェアを7%(前年同期比↓4ポイント)に落とした。
中国汽車工業協会の統計によると、上半期の中国乗用車販売は、前年同期比4.80%増の1009万5600台に減速。セダンに限ると、マイナス成長に転じた。その半面、SUV人気は足元で持続。SUVの販売台数は、前年同期比45.94%増の266万1200万台に拡大した。けん引役は、小型・コンパクトタイプのSUV。小型SUVの上半期販売は、326%増の74万3000台を記録した。SUV販売全体に占める比率は26%と、前年通年(13%)から倍増している。コンパクトSUVも22%増の177万4000台を販売した。一方で、ミドルクラスSUVは4%増の17万6000台と伸び悩み。大型SUVに至っては、9%減の9000台に低迷した。
【亜州IR】《ZN》