中国のリスク許容度は高い、金融危機1.5回分の衝撃吸収可能=社科院

2015年7月28日 08:38


*08:38JST 中国のリスク許容度は高い、金融危機1.5回分の衝撃吸収可能=社科院
2007年から13年にかけて、中国全体の総資産は、284兆7000億人民元から、691兆3000億人民元(約1京3737兆2000億円)に拡大。毎年平均67兆8000億人民元のペースで増えた。総負債も118兆9000億人民元から339兆1000億人民元に増大。毎年平均36兆9000億人民元のペースで積み上がっている。国務院直属シンクタンクの中国社会科学院(社科院)がこのほど発表した「中国国家資産負債表2015」で明らかにされた。
13年の純資産は352兆2000億人民元(土地2割、国民純資産3割、企業純資産4割、対外純資産5%など)に上る。うち金融資産は16兆人民元。国全体の負債比率は、41.8%から49.0%に7.2ポイント上昇(=悪化)している。年率平均1.2ポイントずつ拡大した。なかでも09年、12年、13年の上昇が目立ったという。
ただ、リスク許容度は高いとする見方を強調。1回の大型金融危機でGDPが30%減少すると仮定し、1.5回相当の衝撃に耐える純資産が蓄えられていると指摘した。
一方、中国政府の総資産は、2000年の35兆9000億人民元から14年末時点で227兆3000億人民元に達した。負債も21兆4000億人民元から124兆人民元に膨らんだ。負債を差し引いても、103兆3000億人民元の純資産が残る。国有企業を中心にバランスシートが拡大した。
過度な楽観は禁物ながら、地方政府の財政にも問題が見られない。総資産は108兆2000億人民元、総負債は30兆8000億人民元。純資産が77兆9200億人民元に上っている点に着目し、中長期にわたって安定が保たれると予想した。

【亜州IR】《ZN》

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