ANA、16年ぶりに豪州線を復活
2015年7月27日 10:16
ANA<9202>は、12月11日から16年ぶりにオーストラリア線を復活させる。羽田とシドニーをノンストップで結ぶ。同社は現在、北米・欧州・アジアの路線拡充を進め、日系航空会社として最大の国際線ネットワークを構築しているが、これに羽田=シドニー線も加わる。羽田を夜に出発し、朝に帰着するダイヤで運航することで、地方空港との乗り継ぎの利便性も大きく向上する。また、夜間に運航することから、ビジネスクラスにフルフラットシートを装備した最新鋭機ボーイング787-9を投入する。
シドニー線は、ANAが2015年度に新たに就航するヒューストン線、クアラルンプール線、ブリュッセル線に続く4番目の新規路線だ。
日本からは毎年、30万人を超える日本人がオーストラリアに渡航し、オーストラリアから日本への訪問者数も 2014年には30万人を超え、過去5年間で3割以上増加している。
また、カンタス航空が8月1日からシドニー線を羽田に切り替えて、成田からブリスベンへデイリーで路線を開設する。つまりオーストラリアへのフライトが増えるわけだ。オーストラリア旅行ブームは過去2回ある。その両方が、便数の増加がきっかけだったといわれている。オーストラリア政府観光局によると、ANAの就航で日本とオーストラリア間の座席(供給量)は年間で約8万席増加し、カンタス航空の新路線を加えると年間約15万席増えるという。
それに加えて今回は、昨今のテロなどを受けて安全で安心して旅行できる渡航先として同国が注目されたり、日豪経済連携協定(EPA)が結ばれたことなども追い風になるのではといった見方もある。第三次オーストラリア旅行ブームがやって来るかもしれない。
オーストラリア旅行ブームはもちろんオーストラリアにも経済的利益をもたらす。オー同国政府観光局は、約2600億円から約3000億円のオーストラリアにおける日本人観光客消費額を2020年までに達成することを目標に掲げている。
この数字は2010年の実績比で約2倍となる。また、2011年の段階では訪問者数の目標を2010年比40%増の56万人とし、ていたが、現在は訪問者の目標を70万人に上方修正している。(編集担当:久保田雄城)