中国:人民元通貨の為替政策、変動幅拡大の観測浮上
2015年7月27日 10:18
*10:18JST 中国:人民元通貨の為替政策、変動幅拡大の観測浮上
人民元の1日当たり変動幅が拡大されるとの観測が強まっている。国務院がこのほど発表した「輸出入安定成長促進に関する若干の意見」で、上下双方向への人民元レート変動幅拡大の方向性を明示したためだ。
同意見では、「市場の需給に基づいたレート形成メカニズムを整備し、人民元レートの上下双方向への変動幅を拡大。クロスボーダー貿易取引の人民元決済を利便化し、決済規模を拡大させる」との方針が盛り込まれた。
人民元レートは現在、朝方発表される中間値に対して1日当たりの上下変動幅が定められている。この変動幅は徐々に拡大されており、昨年3月には、1.0%から2.0%に拡大された。
<為替レート柔軟化で「実質実効為替レートの上昇圧力緩和」との見方も>
変動幅の拡大に関しては、輸出にプラスとみる向きもある。たとえば民生証券は、「人民元レートの柔軟化が輸出を支える」と指摘。「米ドル高の局面が続くなか、変動幅の上下双方向への拡大は、当局が人民元の適度な下落を容認させることを意味し、輸出環境の悪化を改善させる」との見解を示した。
【亜州IR】《ZN》