NYの視点:米9月の利上げ予想が増える
2015年7月24日 07:08
*07:09JST NYの視点:米9月の利上げ予想が増える
米国の労働市場や成長の回復が現在の軌道にある限り、「連邦公開市場委員会(FOMC)は9月に利上げを開始する」と予想するエコノミストが増えた。米労働省が発表した週次新規失業保険申請件数は1973年11月以降ほぼ41年半ぶりの低水準を記録。変動の少ない4週平均は30万人を17週連続で下回った。異例な長期間となる。6月から7月の統計期間の4週平均は1500人増だが、7月の雇用統計では非農業部門の雇用者数が引き続き20万人を超えることを示唆している。
さらに、全米不動産業者協会(NAR)が発表した6月中古住宅販売件数は、2007年の2月以降で最高となった。経済の回復や労働市場の回復で住宅への需要が回復。さらに、年内に予想されている連邦公開市場委員会(FOMC)による利上げに絡んだ住宅ローン金利の上昇を前に駆け込み需要も目立つという。FOMCは利上げの条件として、1)労働市場の一段の改善、2)インフレが中期見通し2%に向けて上昇するという自信、を挙げている。
バンクオブアメリカのアナリストは9月利上げを予想する要因として、ギリシャや中国のテールリスクが一時的に抑制されたことを指摘。ギリシャと中国のテールリスクのシナリオは市場の変動率を引きあげ、利上げの先送りにつながる可能性がある。UBSのエコミストもFOMCは9月の利上げに向かっているとの見方。様々な雇用指標が労働市場のたるみが減少していることを示していると指摘。世界経済へのリスクの減少で、経済活動のリスクバランスは上昇に傾斜したと見ている。米金融先物市場では9月の利上げを21%織り込んだ。前日の18.51%、前月の16.2%から上昇した。《NO》