ターニングポイントは65歳? 60代後半から激変する働くシニアの環境

2015年7月23日 22:03

 60代のシニアのうちおよそ半数が「働きたい」と考えているが、60代前半と後半とでは働く意思や賃金、および雇用形態が大きく異なることが分かった。

 60代男女を対象に、仕事の有無について尋ねたところ、男性1300名のうち60代前半では「働いている」人が70.5%、「働いていない」人が29.5%となった。60代後半では「働いている」人が36.5%。「働いていない」人が63.5%。女性1300名のうち60代前半では「働いている」人が54.6%。「働いていない」人が32.8%。60代後半では「働いている」人が28.6%。「働いていない」人が49.1%。男女ともに、60代前半は働いている人が多いものの60代後半になると逆転する傾向にある。

 内訳は、男性60代前半で働いている人のうち「正社員」が46.7%で最も多く、以下「契約社員・嘱託社員」(31.7%)、「アルバイト・パートタイム」(14.0%)が続く。しかし60代後半になると、「正社員」は約2割(21.1%)、「契約社員・嘱託社員」は27.0%になり、「アルバイト・パートタイム」が33.8%となる。一方、女性は60代前半・後半での変化はあまりみられず、働いている人の約7割弱(67.1%)が「アルバイト・パート」となっている。

 「現在、働きたい」と思っているかどうかでは、男性の57.2%、女性の54.0%が「働きたい」と回答している。性年代別にみると、男女とも60代前半は「働きたい」が約6割。60代後半になると「働きたい」人が減少し、「働きたくない」人が増加する。特に女性60代後半は「働きたくない」が過半数(51.7%)となる。

 1ヵ月の平均手取り収入額は、男性60代前半で24.9万円、60代後半で18.8万円。 女性は60代前半で11.9万円、60代後半で11.1万円となった。

 今回の調査では、60代の前半と後半とでシニアを取り巻く環境が大きく変わることがわかった。65歳まではなんとか現役感が持続し、その後はリタイアや余生を念頭に置いた働き方を選択する人が多いのかもしれない。(編集担当:堺不二子)

関連記事

最新記事