VWゴルフのワゴンにクロスオーバー4WDモデルが追加、ラインアップに加わる
2015年7月22日 14:10
フォルクスワーゲン(VW)ジャパンが主力モデル「VWゴルフ」の追加モデルを発表した。「Golf Alltrack(ゴルフ・オールトラック)」である。これはゴルフ・シリーズとして初となる本格的な四輪駆動(4MOTION)を搭載するステーションワゴン。
4WDモデルを日常の足として、あるいはレジャーや趣味・自己表現のためのツールとして使うユーザーに向けて、VWが提案する最新4WD クロスオーバーモデルだ。
このGOLF Alltrackのベース車両は、2014年1月から日本国内でも発売しているゴルフのステーションワゴン版である「Golf Variant(ヴァリアント)」で、そのたっぷりのラゲッジ積載能力(605~1620リッター)や多彩なシートアレンジ、使い勝手の良さを継承している。そのうえで、“Alltrack”の名が示すようにオンロード(舗装路からダート、グラベル)からラフロードまでのさまざまな路面状況で快適で高い走破性を持つVWの4WDシステム「4MOTION」テクノロジーを搭載している。
エンジンはゴルフ・シリーズに初めて搭載する1.8リッター4気筒TSIエンジンで、ターボチャージャーの過給を受けて、最高出力180ps(132kW)/4500-6200rpmと最大トルク28.6kg.m(280Nm)/1350-4500rpmを発生する。組み合わせるトランスミッションはVWの定番ともいえる2ペダルDSGで、ギアは6段。低回転域から最大トルクを発生する特性のエンジンとDSGの組み合わせは、街乗りだけでなく、粘り強い走りが求められるラフロード走行においてもクロスオーバー4WDとしてのドライバビリティを如何なく発揮するという。
ゴルフ・ヴァリアントに比べて25mm高い最低地上高が与えられたAlltrackのボディサイズは、全長×全幅×全高4585×1800×1510mm、ホイールベース2635mm。車両重量1540kgだ。
今回、Alltrackに搭載したVWの最新の4WDシステム「4MOTION」は、第5世代といわれるハルデックスカップリングを採用したシステムだ。
新世代の「ハルデックス 5」カップリングは、前後アクスル間のトルクを配分し、車両の瞬間的な運転状況を把握するプロアクティブな制御システムを採用。このシステムは車輪がスリップする前から反応して、あらゆる条件下でトラクション・ロスを最小化する。エンジンの負荷が比較的小さい、あるいはアクセルオフで空走(コースティング)するような状況になるとリヤアクスルを駆動系から切り離し、フロントアクスルだけで走行し、燃料消費を削減する。そして、路面状況に応じてコンマ秒単位の素早い制御でリヤアクスルに相応の駆動力を配分する。
電子制御油圧式オイルポンプで作動制御する最新式のハルデックスカップリングが、細密な駆動力の分配を担っている。コントロールユニットが、つねにリヤアクスルに必要な駆動トルクを判断して、オイルポンプを作動させることで、マルチプレートカップリングの接続頻度を制御し、状況によって駆動トルクのほぼ100%をリヤアクスルに伝えることもできる。
一方、前後アクスルの横方向のトルク配分は、 標準装備の ESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム/車両安定化装置)機能のひとつである EDS(エレクトロニック・ディファレンシャルロック)が制御する。
Golf Alltrackのグレード構成は2タイプ。標準仕様のAlltrack TSI 4MOTIONの価格は347.0万円。VWインフォテインメントシステム(NAVIなど)やキセノンヘッドランプ(LEDポジションランプ内蔵)、ダイナミックコーナリングライト、ヘッドライトウォッシャーなどを追加装備するAlltrack TSI 4MOTION Upgrade Packageが367.0万円。(編集担当:吉田恒)