GEとNTTドコモがタッグ IoTで橋や水道を遠隔監視

2015年7月21日 07:07

 GEエナジー・ジャパンとNTTドコモ〈9437〉は、IoT分野で業務提携すると発表した。GEの産業用機器向けワイヤレスルーター「MDS-Orbitプラットフォーム(Orbit)」と、ドコモの通信モジュールを連携させ、新たなIoTソリューションを提供していく。

 ドコモの通信モジュールを内蔵したGEの「Orbit」を設置することによって、遠隔地の道路や橋梁、プラントや電気・ガス・水道などの設備で、温度や振動といった稼働データをリアルタイムに監視することが可能になる。

 さらに、「Orbit」で取得したデータを、ドコモが提供するアプリケーションと連携させることで、インフラ設備の稼働データをスマートフォンやタブレットを通じて管理し、故障防止に向けた予兆診断や老朽施設の保全に役立てることができる。

 両社はこのソリューションを2016年春から提供する計画で、同年度にインフラ設備を保有する民間企業や自治体など10社以上への納入を目指している。

 これまで、日米欧の電機・IT企業は自社工場などでのIoT導入を進めてきたが、今後は外部向けのIoTソリューションの提供で競い合うことになる。

 この分野で先行しているのが、GEだ。同社はいち早く航空機のエンジン製造から、IoTを用いたエンジンの遠隔監視による保守サービスやセンサを使った航空機全体の予防保全、さらに運行計画の最適化にビジネス領域を拡大してきた。また、GEはコマツ<6301>と提携し、IoTによる鉱山の生産設備の稼働データを収集・分析にも乗り出している。

 GEとしては、日本のIoT市場でのプレゼンスをさらに拡大したいところ。一方NTTドコモは、産業向け通信ビジネスの拡大を急ぎたい。こうした両社の利害が一致して今回の提携が実現した。GEの参入によって、国内のIoTソリューション市場での競争がますます激しくなってきそうだ。(編集担当:久保田雄城)

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