(中国)養老保険基金の株式運用、10月までに解禁へ

2015年7月20日 13:53


*13:53JST (中国)養老保険基金の株式運用、10月までに解禁へ
中国政府はこのほど、6月末に発表した養老保険基金(年金基金)の新たな運用規定案について、パブリックコメントを終えた。人力資源社会保障部の関係者によると、10月までに最終的な規定の内容が発表され、正式導入の運びとなる見通しだ。証券日報が20日伝えた。
規定案では、これまで国債と銀行預金に限られていた運用先について、社債や株式、株価指数先物、株式ファンドなどが追加された。株式運用比率(ファンドなど含む)の上限は、純資産の30%に設定されている。
実際の投資に際しては、国務院(内閣に相当)が認める機関に対し、各省・自治区・直轄市が運用を委託する形。業界関係者によれば、浙江省や江蘇省といった基金の規模の大きい地方から運用が始まる見込みという。
養老保険基金の資産規模は、2014年末時点で約3兆626億人民元(約61兆円)。うち1000億人民元を超える地方は、広東省(5128億人民元)、江蘇省(2793億人民元)、浙江省(2632億人民元)、北京市(2161億人民元)、山東省(1933億人民元)、四川省(1927億人民元)、遼寧省(1289億人民元)、上海市(1262億人民元)、山西省(1169億人民元)の9省市が挙げられる。
養老保険基金の運用先を増やすことで、資産価値の保全を図る。これまでは運用先が国債と銀行預金に限られていたため、投資利回りがインフレ率を下回り、実質価値の縮小を余儀なくされていた。株式市場への資金流入を拡大する狙いもある。

【亜州IR】《ZN》

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