ドコモとラオックス提携。「爆買い」需要狙う
2015年7月19日 20:28
円安の影響もあって、今、日本を訪れる外国人旅行者の数がどんどん増加している。2020年には東京で「東京オリンピック」が開催されるということもあり、こうした傾向は今後もますます強まっていくものとみられている。そうした状況のなか、各企業は訪日外国人旅行者を取り込むための様々な施策を行っている。
14日には、NTTドコモ<9437>と免税店運営大手のラオックス<8202>が訪日外国人旅行者に向けの優待サービスを、共同で提供するとの発表を行った。
今回のこのNTTドコモとラオックスの提携は、14日にMWC上海で発表されたNTTドコモとチャイナモバイル(中国移動)、韓国KTといった3ヶ国の通信事業者間での国際ローミング利用促進のための取り組みの一環で、NTTドコモとしては、ここのところ国内で大きな話題となっている中国人を中心とする訪日外国人旅行者による「爆買い」需要を取り込みたい考えだ。
NTTドコモと協力関係にあるチャイナモバイルと韓国KTのユーザーが訪日した際、ラオックスで使用することのできるクーポンが自動配信される。さらに今後は、ユーザーが帰国した後も、ラオックスが中国で展開するインターネット通販などの利用を促すメールを送信するという販売促進策も検討されている。そしてNTTドコモは今後、ほかの量販店や飲食店などにも提携を拡大し、在日中の外国人旅行者のモバイル需要を取り込んでいきたいとしている。
中国人を中心とする訪日外国人旅行者による「爆買い」だが、14年に訪日外国人旅行者が日本国内で消費した金額は2兆278億円となっており、初めて2兆円を突破した。さらに15年も1~3月だけで7000億円に達している。
こうした傾向は今後も強まっていくものとみられており、通信大手ではすでにauのKDDI<9433>やソフトバンク<9984>が無料公衆無線LANを利用して、訪日外国人旅行者の行動をビッグデータで分析するなどの対応を開始しており、今回のNTTドコモのラオックスとの提携はそうした動きに追随したものだ。(編集担当:滝川幸平)