大学生の半数がアルバイトに従事、「2種類以上かけもち」も1割強
2015年7月19日 20:52
学生が正社員並みに働かせられる、サービス残業を強要される、厳しいノルマが課せられるなどの「ブラックバイト」が社会問題化しているが、リクルートの「就職ジャーナル」の調査によると、学生の半数が何らかのアルバイトをしており、人気は“ブラックバイト”でも問題化している「塾講師」や「飲食店」、さらにその平均月収は4万円を超えることが分かった。調査はリクルートが今年6月、クロス・マーケティングの協力を得てインターネット上で実施。大学2年~大学院修士2年の学生596人(男子314人、女子282人)から回答を得た。
「アルバイトをしているかどうか」尋ねたところ、約半数が「はい」と回答。そのうちの1割強は2種類以上のアルバイトをかけもちしていた。アルバイトをしている学生の割合は、男子学生よりも女子学生、大学院生よりも学部生、理系学生よりも文系学生の方が多い。特に女子学生は56%と、男子学生の45.5%を大きく上回った。
ちなみに比較のため、大学生活協同組合連合会が毎年行なっている「学生生活実態調査」(2015年2月25日公表)をみてみよう。こちらでは、大学生の「アルバイト就労率」が全体で69.1%(自宅生75.1%・下宿生64.8%、男子64.5%・女子74.9%)で、リクルートの調査(50.5%)よりも高い数値となっている。ただ、理系よりも文系学生の方が、女子の方が男子よりも「アルバイト就労率」が高い点は同じだ。文系のアルバイト率が高いのは、女子比率の高さによるものだろう。
リクルートは学生らに、「どんなアルバイトで月にいくら稼いでいますか?」と尋ねているが、複数回答で最も多かったのは「塾講師・家庭教師」で26.9%と、4人に1人の学生が従事していた。次いで「飲食店従業員」(22.3%)、コールセンタースタッフなどの「その他販売・接客」(17.6%)、「コンビニ・スーパー店員」(16.3%)など。「その他」も15%と多い。
1カ月に稼ぐ平均金額は「飲食店店員」が最も高く「4万9657円」。次いで、コールセンタースタッフなどの「その他販売・接客」(4万5132円)、「コンビニ・スーパー店員」(4万5062円)と続き、「接客系」の平均額が高かった。最も就労率が高い「塾講師・家庭教師」は2万9244円と、意外にも少ないようだ。
比較のため、大学生協連合会の調査をみると、自宅生のアルバイト収入は1ヶ月あたり平均「3万2370円」で、3年連続増加している。下宿生も「2万5560円」で、リーマンショック以降最高額となっている。人手不足による人件費の高騰もあるだろうが、よりアルバイト収入に依存する学生が増えていることの現れかもしれない。ブラックバイトが社会問題化する中、学生のアルバイト事情を細かく知ることは、現状把握の一助となる。(編集担当:北条かや)