スカイマーク再生に米大手航空会社デルタが参画
2015年7月18日 00:03
経営破綻し、民事再生手続き中の航空会社スカイマークだが、その最大の債権者である米リース会社「イントレピッド・アビエーション」は15日、同社が主導する再生計画案に、スポンサー候補としてアメリカの大手航空会社「デルタ航空」を加えるとの発表を行った。
スカイマークの再生計画案については、スカイマーク自身が提出していた、全日空を傘下に持つANAホールディングス<9202>などを支援企業とする再生計画案に対して、最大の債権者である「イントレピッド・アビエーション」が対抗案を提出するなど、対立構造が生まれてしまっていた。
そうしたなか「イントレピッド・アビエーション」は15日、アメリカ大手の航空会社「デルタ航空」を支援企業として加えることを発表。さらに「イントレピッド・アビエーション」は同社の再生計画案が成立することを条件に、自身の債権の一部を取り下げることで、ほかの債権者への返済額を増やすことも増加しており、ANAホールディングスを支援企業とする再生計画案を上回る弁済条件を提示した。
「イントレピッド・アビエーション」は「デルタ航空」が加わることにより、スカイマークが独立した「第三極」としての立場を維持しながら、運営・システム面で世界最大手の航空会社からの支援が得られることを強調しており、さらにはこの再生計画案の成立を条件に「イントレピッド・アビエーション」の債権のうち300億円を取り下げる意向を示している。
これにより、少なくとも300億円の5%に相当する15億円が追加弁済原資となることが確定し、弁済条件が向上する。そして支援企業に加わる「デルタ航空」は、羽田空港に発着枠を持つ航空会社への出資上限として定められている、「20%未満」の範囲内でスカイマークに出資し、自社の運航や整備面でのノウハウを導入する考えだ。
当初、「イントレピッド・アビエーション」はANAホールディングスによる支援に賛同していたものの、スカイマークにキャンセルされたリース機をANAホールディングスが引き受ける合意書を結んだにもかかわらず、同社がリースを取りやめたことにより方針を転換させた。(編集担当:滝川幸平)