(中国)1-6月の新造船受注7割減、経営難で破産申請相次ぐ
2015年7月17日 09:40
*09:40JST (中国)1-6月の新造船受注7割減、経営難で破産申請相次ぐ
中国の新造船受注が引き続き低迷している。1-6月の受注量は1119万DWT(載貨重量トン)と、前年同期比で72.6%減少した。1-5月の77.4%減に続き、大幅な落ち込みを見せている。景気減速を背景とした海運需要の縮小に加え、輸送能力の過剰が響いた格好だ。
工業情報化部が発表した最新統計で明らかとなった。1-6月の竣工量は6.3%増の1853万DWT。伸び率は1-5月の18.9%から鈍化している。6月末の手持ち工事量は1億3807万DWTと、前年同期比を9.2%下回った。
厳しい経営環境が続くなか、中国では今年に入り、造船会社の破産申請が相次いでいる。3月には、韓国系のSTX大連が破産手続きを開始。負債の規模は240億人民元(約4780億円)に上るとされる。このほかにも5月までに、東方重工(江蘇省)、荘吉船業(浙江省)、正和造船(同)などが破産申請を行ったという。
2010年のピーク時に3000社余りを数えた中国の造船会社は、現在は約100社まで減少。うち実際に受注を確保し、経営を維持できている企業は20社ほどだという。最近では、円安によって日本に受注を奪われていることも、中国の造船業界が苦戦する要因の一つだ。今年は日本が中国を追い抜き、受注量で世界2位に浮上するとみられている。
【亜州IR】《ZN》