NYの視点:米9月の利上げ観測強まる、イエレンFRB議長証言で
2015年7月16日 07:15
*07:15JST NYの視点:米9月の利上げ観測強まる、イエレンFRB議長証言で
国際通貨基金(IMF)の警告にもかかわらず、イエレンFRB議長は年内の利上げに一層自信を強めたようだ。イエレンFRB議長の議会証言を受けて、米ウォールストリートジャーナル紙のFedウォッチャー、ヒルゼンラス氏は「FRBは9月の利上げに傾斜している可能性がある」と指摘。
イエレンFRB議長は下院金融委員会証言において、年内の利上げが適切になると繰り返した。「もし、FRBが利上げを先送りした場合、大幅な利上げを強いられる可能性がある」とし、「利上げを早めに開始することにより一段と緩やかなペースでの利上げが可能になる」と早めの利上げを支持。本年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を有するウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁も「利上げを過剰に長く待つことはリスクを生む」とし、年内に利上げを開始すると信じるとした。
ギリシャや中国の展開が見通しを変えるかとの質問に、イエレンFRB議長は「ギリシャ、中国の問題は新しいものではない」と答えた。また、メスター・クリーブランド連銀総裁(2015年FOMC投票権なし)も講演で、「ギリシャリスクは見通しを変更するにいたらない」と発言。ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁も、「ギリシャの混乱が米国経済の基盤を崩す可能性は少ない」とした。ギリシャや中国の混乱を受けて、FOMCメンバーは見通しを変更することはないようだ。
議長はまた、「経済は我々が期待している水準に近づき、高い金利が必要になる」と、初めて利上げの必要性に言及。7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で材料となる米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)の中で、ほとんどの地区連銀は緩やか、または緩慢な成長が継続していることを報告した。《NO》